冠水対策で車を常時2m以上収納!新明和工業が国内初の多段方式駐車設備
新明和工業は国内で初めて、自動車を常時2メートル以上の高さに収納する冠水対策仕様を備えた多段方式の機械式駐車設備を2月1日に発売する。設備構造の見直しや機器の防水性向上により、冠水しても短時間で復旧できる。国内各地で台風や豪雨による水害が多発していることに対応し、低海抜地域などでの冠水による被害を抑える。11台収容機種1基の消費税抜きの価格は同社従来品より6%程度高い3500万円。初年度10基の販売を目指す。
設備の1階部分に車の出入り口を1カ所設け、2階部分から上の車庫(パレット)を入れ替えながら入出庫する多段方式の駐車設備「ループパーク」に冠水対策仕様を加えた。
車を入庫すると車を載せたパレットが必ず上昇し、設備接地面から2メートル以上の高さに収納する。通常は設備の接地面周辺に取り付ける制御盤や、予備の運転操作盤、パレット昇降用モーターなども2メートル以上の高さに配置した。センサーやスイッチなどの機器は防水性の高いものを採用した。冠水状態が収まった後、人検出用センサーなどの安全機能を一時的に停止して、保守員の目視確認の下で車を出庫できる「緊急対応モード」を搭載した。出入り口付近の機器数が少なく、浸水した機器の交換などの復旧作業を1日程度の短時間で終えられる。
今後、エレベーター方式の駐車設備にも制御盤の設置位置の変更を加えることなどで、「冠水対策仕様」の搭載機種を拡充する。