LINEでエレベーター操作、コロナ禍がもたらした“非接触市場”が拡大中!
ATM・エレベーターなど
新型コロナウイルス感染拡大が長引く中、非接触ニーズが高まっている。画面に触れず操作できる現金自動預払機(ATM)やエレベーターなどで開発が相次ぎ、実際に導入例も出始めた。また、オフィス家具でも非接触製品が登場。コロナ禍を機に、触らないユーザーインターフェースの普及が一気に加速しそうだ。
OKIは画面数センチメートル上で指をかざし操作する「ハイジニック タッチパネル」を2020年9月に開発。ATMや自動チェックイン機、券売機などへの搭載を想定。日本航空(JAL)や群馬銀行、百五銀行などに試験導入した。これら企業と引き合い企業を合わせ10数社。21年度上期までの製品化を目指す。
日立オムロンターミナルソリューションズ(東京都品川区)は、ボタンが空中に浮かぶ「空中入力装置」を20年10月に発売。クリニックなどに設置されている自動受付精算機にUSB接続でき、導入実績は10台以上。引き合い数は約20件ある。同装置内蔵のATMも2月に発売予定で、西尾信用金庫(愛知県西尾市)へ20年12月に先行導入。その他金融機関向けに10台以上を導入する予定だ。さらに20の金融機関からも引き合いがある。入力装置全体で23年までに1万台の販売を目指す。
エレベーターでは日立ビルシステム(東京都千代田区)が、LINEを使ったサービスを展開中。利用したいエレベーターのLINE公式アカウントと友だちになると、スマートフォンで呼び出し・行き先階登録が可能。操作ボタンに触れずに目的階に行ける。すでに数十件の引き合いがあり、20年度の導入目標は600台だ。
フジテックはボタンの代わりに赤外線センサーでエレベーターを操作できる「非接触ボタン」を、東京都大田区の複合施設「三井不動産インダストリアルパーク羽田」に納入。20年9月に非接触ボタンの稼働を始めた。
日本アイ・エス・ケイは、非接触型の操作パネルを導入したオフィスロッカーなどの生産を4月にも始める。OEM(相手先ブランド)供給先の事務機器メーカーなどに提案。年間100―200台の販売を目指す。
特殊なレンズで操作パネルの画像を空中に投影する技術「空中ディスプレイ」でロッカーの施錠や解除などを操作する。アスカネットが開発した特殊レンズ「ASKA3Dプレート」を、ロッカー製品に初めて応用した。オフィスロッカー以外にも、貴重品保管庫や店舗での物品受け渡しロッカーなどさまざまな製品に応用できると見て、川島工場(茨城県筑西市)にデモ機を展示し取引先に技術をアピールする。