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住友生命が7年ぶりに社長交代。就任する高田執行役常務はどんな人?

住友生命が7年ぶりに社長交代。就任する高田執行役常務はどんな人?

笑顔でグータッチの高田氏(右)と橋本社長

住友生命保険は15日、高田幸徳執行役常務(56)が2021年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。社長交代は7年ぶり。橋本雅博社長(64)は代表権を持つ会長に就く。高田氏は18年投入の健康増進型保険「バイタリティー」を担当してきた。戦略分野の同商品を拡販するほか、新型コロナウイルス禍の営業でデジタル活用を進める。

バイタリティーは加入者が健康増進に取り組むと、パートナー企業の特典を受けられる。15日の都内の会見で、高田氏は「パートナー企業が増えて魅力が高まっている」と述べ、10年間で500万件の加入目標達成に意欲を示した。足元は約54万件。営業ではオンラインの契約体制を整備してきたが、「人とデジタルの総合的価値が重要で、研究・試行する」との方針を示した。

【略歴】高田幸徳氏 88年(昭63)京大経卒、同年住友生命保険入社。17年執行役員、18年執行役常務。大阪府出身。

■素顔/住友生命保険社長に就任する高田幸徳(たかだ・ゆきのり)氏

≪部下の育成に情熱燃やす≫

営業職員の人事制度策定や組合交渉を行う「業務勤労課」で、当時課長だった橋本社長が担った労働組合との交渉を支えた。「制度改正時の長期間の交渉が思い出深い」と振り返る。その後、後任課長に37歳で抜てきされ、最年少の本社課長となった。

橋本社長は高田氏を「部下を育てることに情熱を燃やす。人材育成が最も得意で長所」と評価する。高田氏も「コロナの時代だからこそ、付加価値が重要で、人材改革を一つの旗頭にしたい」と意欲的。自身については根明だが、頑固と分析する。

指名委員会方式で選ばれた。指名を受けたのは会見当日だが、「やりたいと考えてきたことをそのまま話している」と慌てる様子はない。高齢化が進むが、「生命保険がどういう価値を提供できるかというチャンスでもある」と前向き志向だ。

座右の銘は「活機応変」。週末は美術や演劇鑑賞でリラックスする。(戸村智幸)

日刊工業新聞2020年12月16日

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