もうネットだと試着できないなんて悩まない!ヴァーチャル店舗で試着体験
スポーツ用品販売大手のアルペンは、電子商取引(EC)サイト上で体験型ショッピングを提案している。オリジナルのスポーツアパレルブランド「ティゴラ」を軸に、バーチャル店舗や映像による着こなし提案を強化。逆風が吹くアパレル業界で着々と顧客層を広げている。
10月に自社初となるバーチャル店舗をオープンした。東京都立川市のショッピングモール「ららぽーと立川立飛」内にあるティゴラ直営店を画面上に完全再現。店内の各所にあるアクセスポイントをクリックすると、店内を散策する感覚で商品が確認できる。
ネットで服を購入する際にネックとなるのが試着できない点だ。この課題を解消するため、バーチャル店舗では仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を活用している。ヘッドセットやスマートフォンを使用すると、売り場の体験だけでなくモデル着用のコーディネートも確認できる。
さらにリアルな着用イメージを伝えるべく始めたのが「スナップナビ」。JR立川駅を起点に、ららぽーと立川立飛までの道のりに登場する21人のインフルエンサーがティゴラのアイテムを着用している動画だ。街中に溶け込んでいる様子を共有し、気軽に着られる汎用性の高さをアピールする。
デジタル変革(DX)の活用によってアパレル分野の強化を進めるアルペン。「魅力的なチャンネルを増やし、お客さまのライフスタイルに合わせていく」(原子朋則スポーツマーケティング部長)ことで、ファミリーや若者などの幅広い顧客層を取り込む。(名古屋・岡林里奈)
日刊工業新聞2020年12月4日