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NTTコムとコムウェア、ドコモ傘下に。モデルケースは「NTTぷらら」?

NTTコムとコムウェア、ドコモ傘下に。モデルケースは「NTTぷらら」?

ドコモが2社を傘下に置くことで、法人営業強化やコスト削減を目指す

NTTは、NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ(NTTコム)・NTTコムウェア(東京都港区)の3社の連携強化策として、ドコモがNTTコムとコムウェアを100%子会社とする選択肢の検討を始めた。この選択肢が「効果的であり、現実的」(澤田純NTT社長)とみている。NTTは総務省が今後、NTTグループの変化が通信市場にもたらす影響などを検証する点も踏まえ、2021年5月をめどに一定の結論を出したい考え。

NTTはドコモを20年12月29日付で完全子会社化する。完全子会社化の計画を9月に公表した際、NTT傘下でデータセンターなどに強みをもつNTTコムと、ソフトウエア開発のコムウェアについて、ドコモへの移管を検討する方針を示していた。法人営業強化や、設備の統合によるコスト削減を目指す。

澤田NTT社長は、既存のドコモ子会社の成功例に、映像配信事業を展開するNTTぷらら(東京都豊島区)を挙げる。同社はNTTコムの子会社だったが、19年7月にドコモの子会社となった。「ぷららは独立しながら、ドコモと連携してうまくやっている」。ドコモがNTTコムやコムウェアとの連携強化を図る際も、同様の枠組みが良いとみている。「NTTコムやコムウェアをドコモの社内に入れてしまう発想はない」とも語った。

他方、総務省は3日に「公正競争確保の在り方に関する検討会議」を立ち上げる。NTTによるドコモの完全子会社化が通信市場に与える影響などを検証し、ドコモ・NTTコム・コムウェアの3社の関係も議題に挙がるとみられる。「年度内に総務省側がまとまったら、その時点で、こちらの方向感は見えてくる」(澤田NTT社長)。グループ再編効果を織り込んだNTTの計数目標は、中期経営計画の見直しという形で21年5月にも発表される見通しだ。

日刊工業新聞2020年12月3日

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