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怒る総務省「SIMロック」即解除へ、早くもプラン見直し?

研究会でKDDIとソフトバンクに批判集まる
総務省は携帯電話会社が自社で販売したスマートフォンを他社回線では使えなくする「SIMロック」について、端末販売後100日間適用する現行ルールを見直し、ロックをすぐに外すことを義務付ける方針を示した。有識者から「端末による顧客の囲い込み」といった指摘が相次いだからだ。一方“100日ルール”は高額端末の持ち逃げを防ぐ手だてとしても機能している。今後、各社は消費者の利便性を高めながらこうしたリスクを回避する方法を練る必要がある。

 「利用者が即時に他社で利用できるようにSIMロック解除のルールを見直すことが必要ではないか」。総務省が開いた携帯電話の通信料金に関する有識者会議で、こう方針を示した。きっかけとなったのはKDDIとソフトバンクによる端末の購入に関する新プランだ。

 両社は高額な携帯電話端末を、一定条件を満たせば半額程度で購入できるプランを発表。利用者は48回払いで対象機種を購入した上で25カ月後に指定機種に買い替えると、残りの支払いが不要となるものだ。他社回線の契約者にも販売するが、今のルールでは契約から100日間は販売した会社の回線でしか使えない「SIMロック」を適用しており、総務省が開催する研究会で有識者から批判の声が集まっていた。

 一方、携帯各社は割賦の不払いといったリスクを減少するために100日ルールを導入している。KDDIの古賀靖広執行役員は「割賦の不払い等の可能性が低いことを確認した上で、SIMロック解除に対応することを検討したい」と回答。ソフトバンクも同様の考えを示した。

 KDDIは総務省の指針を踏まえた上で端末の購入者が一定の料金を事前に支払った場合にSIMロックを即時解除するなどの対策をこうじる計画だ。総務省と携帯各社のにらみ合いはしばらく続きそうだ。
日刊工業新聞2019年9月23日

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