メガネと脳の関係を10年研究している企業が脳波計測事業に進出!
【名古屋】東海光学(愛知県岡崎市、古沢宏和社長、0564・27・3000)は、脳活動計測デバイス分野に参入した。第1弾として大学や研究機関向けにワイヤレス簡易脳波計「TOKAI Orb(トウカイオーブ)=写真」を発売した。同社は眼鏡レンズを主力に光学薄膜も手がける。脳計測デバイスを新たな収益源として育成する。
トウカイオーブは内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」に採択され自然科学研究機構生理学研究所、ミユキ技研(東京都文京区)、日本医科大学との共同研究成果を基に東海光学が商品化した。
ヘッドセット型の脳波計で前頭部用3個、後頭部用5個の電極を搭載。耳や額付近に空間の余裕があり、眼鏡や仮想現実(VR)ゴーグルを着用した状態でも計測しやすい。複数人の同時計測も可能。計測した脳波は近距離無線通信「ブルートゥース」でパソコンに送信する。充電式で連続計測可能時間は約5時間。価格は非公表。
東海光学は主力の眼鏡レンズの技術を応用し、1990年代後半から各種光学機器向けに機能膜をコーティングする事業も手がけている。眼鏡と脳の関係については10年以上にわたり研究している。
日刊工業新聞2020年11月30日