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「ワクワク感」数値化、広島大が感性メーター開発目指す

広島大学の山脇成人特任教授と町沢まろ特任准教授の研究グループは、視覚による刺激に反応する脳波や脳の動きから「ワクワク感」といった感情を数値化し、リアルタイムで表示する技術を開発した。基準が曖昧な個人の感想を、脳の動きを捉えて数値化し、客観的に評価した。今後、データの蓄積により精度を高め、商品開発などに応用できる感性メーターの開発を目指す。

研究グループは、従来、感情評価に使われてきた「快・不快」、「活性・非活性」といった感情に、過去・未来という時間軸を「期待」として加え、ワクワク感の指標とした。

学生28人に風景や動物などの画像を次々見せる前に、1枚ごとに内容の手がかりとなる音を鳴らし、表示されるまでの期待度を主観で答える実験を実施。

その際の脳の動きを、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)や脳波計で計測した。この実験により三つの感情に対応する脳の動きを特定し、主観的な評価と照合してワクワク感を数値化した。(広島)

日刊工業新聞2020年6月9日

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