【新型コロナ】臨床実習もVRの時代到来、医師や学生の負担軽減なるか
医療教育や障害者支援などのVR・AIサービスを開発・提供するジョリーグッド(東京都中央区)は、救命医療で最大の日本救急医学会が18日に開催する第48回日本救急医学会総会・学術集会にて、救急救命や消化器外科の医療教育VRセミナーを実施する。
このセミナーは、東京都経済の持続的な発展のため革新的なビジネスアイデアを有し、新たなビジネス領域で大きな成長を志向するスタートアップの実証実験を効果的に支援する「スタートアップ実証実験促進事業」(PoC Ground Tokyo)の一環。
岐阜会場には日本医科大学の横堀將司教授、遠隔講師として東京の進士誠一医局長と、これまで医療VRの共同開発を行ってきた講師を迎え、岐阜会場の参加者に対しVRで臨床体験を提供する。また20日までの学会会期中には、展示エリアにてVR臨床実習の体験展示が行われる。
セミナーで用いられる医療教育プラットフォームのオペクラウドVRは、医師や看護師、メディカルエンジニアなど治療現場のスタッフの視野を撮影・配信し、データ蓄積管理を行う統合システムソリューション。「多接続リモートVR臨床システム」では、治療スタッフそれぞれの360°視野を一斉に臨床学習することができる。
2024年より医師の働き方改革として、勤務医の時間外労働時間が原則年間960時間までとなる。日本病院会が公表した「2019年度勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」結果によると、約6割の病院長が「働き方改革で地域医療が崩壊する」と回答。医師の勤務時間や在院時間が減る事で教育時間が制限され、 医療の質の低下やさらなる医師不足につながることが懸念される。VRを医療教育に導入することで、持ち帰ってのすき間時間や自宅学習が可能になる。限られた時間の中で効率の良い学びができ、質低下の解消に繋げる。
依然として感染拡大が進む新型コロナウイルス感染症による休校や、臨床実習の休講の中でも、VRを用いることでスムーズなリモート授業を進行することができる。