“海のドローン”実用化へ!国交省が産業化に本腰
国土交通省は「海のドローン」といわれる海洋向け次世代モビリティーの利活用を本格化する。5日に「海における次世代モビリティに関する産学官協議会」を立ち上げ、産学官で現状や課題について意見交換した。大高豪太総合政策局次長は「沿岸や離島の海洋開発を進める上での潜水に潜む危険を解決したり、海洋資源の持続可能な利用などに果たす役割は大きい」と期待を示した。
協議会の対象にするのは小型無人ボート(ASV)や自律型無人潜水機(AUV)、遠隔操作型無人潜水機(ROV)など遠隔操縦を基本とする小型機器。沿岸のインフラ管理や離島への無人物流、養殖いけすや定置網の管理、濁った海での潜水士の補助などの用途が考えられる。加えて、潜水士や漁業者の負担や危険の軽減、離島と本土を結ぶ1人船主の高齢化対策、沿岸インフラ管理の効率化など働き方改革の面からも期待されている。
また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つに海や海洋資源の持続可能な開発・利用がある。2021年から30年までを「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」と決議され各国が集中的に取り組む方針で、ここでの利活用も検討する。
協議会には学識経験者、研究機関、関係団体、自治体、メーカー、行政機関から幅広く参加し、課題を整理し実用化への道筋を検討する。海洋国家の日本が産学官を挙げて取り組むことで、産業としても成り立たせたい考えだ。協議会は21年3月をめどに取りまとめを行い、21年度は実証実験を進める方針。