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伊藤忠TC建機が東大スタートアップと協業、建機の遠隔操作で災害対応

伊藤忠TC建機(東京都中央区、成沢信彦社長)は、建設現場のデジタル変革(DX)や自動化を進める東京大学発スタートアップ、ARAV(東京都文京区)と開発業務契約を結んだ。災害復旧迅速化や技能人材不足への対応を狙い、建設機械の遠隔操作などに取り組む。行政などとも連携し実証実験を行い、2021年秋頃の実用化を目指す。

実証実験では伊藤忠TC建機がプロジェクトリーダーを務め、ARAVのロボティクス技術を活用。ARAVが開発した遠隔装置は、建機メーカー・機種を問わずに後付けが可能。第4世代通信(4G)の環境があればインターネット経由でリアルタイムに遠隔操作ができるという。

千葉房総技能センター(千葉県市原市)が実証実験場と機械、オペレーターの提供で協力する。同センターが保有する建機に年内にもARAVのシステムを実装する予定。21年初頭以降、消防や地方自治体、災害救助犬組織などとも連携しながら実証実験に取り組む考えだ。今後、飛行ロボット(ドローン)を使用した俯瞰(ふかん)映像、通信のローカルネットワークを組み合わせた総合システムの構築を目指す。

大規模地震や台風・豪雨災害などにおいて人命救助や復旧作業を効率的に行い、二次災害を防ぐための手段として、遠隔操作や無人化施工技術が注目されている。今後、第5世代通信(5G)サービスの普及に合わせ、遠隔・無人化関連ニーズは高まることが期待されている。
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日刊工業新聞2020年10月30日

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