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トヨタやホンダの販売は過去最高に、日系自動車メーカーが中国市場で躍進の理由

中国の自動車販売は新型コロナウイルスの影響による落ち込みから回復が続いている。日系自動車メーカー6社合計の9月の中国新車販売は前年同月比16%増の約52万台だった。政府の販売支援が需要を押し上げ、5カ月連続で前年実績を上回った。中でもトヨタ自動車は2月のコロナ危機を含めた1―9月期の販売が前年同期比6・9%増と前年を上回り、回復需要を確実に取り込んでいる。(取材=西沢亮)

9月の販売は日系メーカーの中で三菱自動車を除く5社が前年実績を上回った。トヨタとホンダは9月単月として過去最高を更新した。メーカー別ではトヨタが前年同月比25・3%増と6カ月連続で増加。セダン「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」などが好調で、「地方モーターショーが開かれた地域を中心に販売が伸びている」(同社広報担当者)。

日産自動車は同5・1%増と2カ月ぶりに増加し、堅調に販売を伸ばした。同社現地法人幹部は12月まで不透明感も残っているとし、「中国市場での持続的な成長のため、適正な利益水準の確保に注力する」と気を引き締める。SUBARU(スバル)は同59・7%増と13カ月ぶりに増加した。大幅増の要因として、2019年1月に部品の不具合で生産を止めた影響により中国で在庫不足となり、19年9月に販売が低迷した反動で今年は増えたとしている。

市場全体では中国汽車工業協会によると、9月の新車販売は同12・8%増の約257万台と6カ月連続で前年実績を上回った。そのうち全体の約8割を占める乗用車は同8・0%増の約209万台、商用車は同40・3%増の約48万台だった。

調査会社のマークラインズによると、乗用車は各地の消費促進政策の継続が寄与し、商用車は政策と投資にけん引されたという。電気自動車(EV)など新エネルギー車の販売は同67・6%増の約14万台と、9月単月で過去最高を記録した。うちEVは同71・5%増の約11万台だった。

同協会によると、1―9月期の中国全体の新車販売は前年同期比6・9%減の約1712万台だった。2月に前年同月比79・1%減とコロナ影響が最も深刻化したが、4月には同4・4%増とプラスに転じた。その後は増加を続けたが、9カ月累計では19年の水準まで戻りきっていない。

日系6社の1―9月期の販売は、トヨタが前年同期比6・9%増と唯一前年実績を上回り、事業基盤の盤石さを示した。ホンダは同5・1%減、マツダは同5・2%減と市場全体より回復が早く、コロナ問題後の新車需要を取り込んでいる。

日刊工業新聞2020年10月19日

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