横風やあおりに強いヘリ型ドローンは巡視船を助ける?
東京航空計器(東京都町田市、上林裕幸社長、042・798・6611)は、ヘリコプター型の飛行ロボット(ドローン)を開発した。小型プロペラが4個ついた一般のドローンより高速で飛べ、安定性も高いという。こうした長所を生かし、高速飛行が要求される血液や心臓治療機器など医療向けの輸送、高速道路の事故検証用などに売り込む。海上保安庁などから離島防衛利用の問い合わせもきており、拡販の可能性を探る。
東京航空計器はもともと防衛省や川崎重工業、三菱重工業などに航空計器やフライト・コントロールシステムを納入している。ヘリコプター型ドローンもその知見を生かし、開発した。フライト・コントローラーや飛行制御プログラム、センサーなどを自前で開発しているため、セキュリティーが高いのが強みだ。搬送荷重は3キログラム、飛行時間は40分程度。リチウムイオン電池で飛行する。客の要求次第で、より大馬力で長時間飛べるガソリンエンジン型も開発していく考え。
機体サイズは全長2070ミリメートル、プロペラ直径1500ミリメートル、幅380ミリメートル、全高400ミリメートルで、電池込みの重量は15キログラム程度。ヘリ型なので横風やあおりなどにも強く、海上でも使用が可能。尖閣諸島周辺では保安庁の巡視船よりはるかに多い中国漁船に悩まされているのが実情。ドローンを巡視船に搭載して証拠映像などを撮影できるという。
日刊工業新聞2020年10月2日