SiCウエハー用に粗さ1nm級の専用研削砥石を量産する愛知の中小企業

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豊田バンモップスの専用砥石で鏡面加工したSiC半導体ウエハー

豊田バンモップス(愛知県岡崎市、田渕一雄社長)は、高性能パワー半導体向けに需要拡大が期待される炭化ケイ素(SiC)ウエハー用に、表面粗さ1ナノメートル(ナノは10億分の1)級の専用研削砥石(といし)の量産を本社工場で10月に始める。投資額は非公表。量産により本格採用に向けたサンプル提供や社外との共同研究を加速し、半導体研削分野で早期の収益化を目指す。

同砥石は結合剤がセラミックス系のビトリファイドダイヤモンドホイール。産業技術総合研究所による次世代パワーエレクトロニクスの民活型の共同研究体「つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション」(TPEC)に参加し、産総研などと共同開発した。

非常に硬いSiCウエハーを表面粗さ1ナノメートル級、平たん度1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)級に効率よく加工する。ウエハーを仕上げる後工程の化学機械研磨(CMP)を効率化できる。

量産のため、既存工場棟に局所的なクリーンルーム機能や、砥粒(とりゅう)を直径1マイクロメートル単位で制御できる専用の造粒機などの専用ラインを導入する。将来の専用工場建設も視野に入れており、パイロットプラントに位置づけて量産の独自ノウハウも蓄積する。

同社はジェイテクトの子会社で研削砥石や関連機器・装置が主力。2020年3月期の売上高は59億円で、カム用など自動車関連が約7割を占める。非自動車強化を課題とし、半導体分野にも注力。18年には同業界向けにセラミックス治具用研削砥石を発売した。第2弾でSiC用を投入し、半導体分野を事業の柱の一つに育てる。

日刊工業新聞2020年8月26日

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