タッチパネルの高硬度フィルムも抗ウイルスへ
アイカ工業が化成品分野に拡大
アイカ工業は抗ウイルス性能を付与した製品を、化成品分野に拡大する。第1弾として、タッチパネルなどの表面に貼るハードコート(高硬度)フィルムに抗ウイルス加工を施した製品を9月1日に発売する。これまで抗ウイルス製品はメラミン化粧板など建装建材分野で展開し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて販売を伸ばしている。もう一つの事業の柱である化成品分野にも広げ、拡大する需要を取り込む。
ハードコートフィルム「ルミアート 抗菌・抗ウイルスフィルム=写真」は紫外線(UV)硬化樹脂を使った高硬度フィルムに抗菌・抗ウイルス加工を施した製品。2014年に抗菌仕様の製品を発売していたが今回、抗ウイルス性能を付与した。付着した特定ウイルスを24時間で約99%減少させるという。
タッチ式デジタルサイネージ(電子看板)やフェースシールド、などの表面に貼る用途を想定する。ルミアートシリーズの特徴である防曇性、防指紋性、防眩(ぼうげん)性など各種性能も選択して付与できる。価格は非公表。年間1億2000万円の売り上げを計画する。
大村信幸取締役常務執行役員は「日常的に手で触れるタッチパネルなどからの感染予防に貢献できれば」と力を込める。今後、自動車内外装樹脂部品向けの3次元加飾成形用フィルムなど、化成品分野で抗菌・抗ウイルス仕様を広げる方針。
アイカ工業は19年に建装建材分野で抗菌・抗ウイルス製品を発売。「ウイルテクトシリーズ」としてメラミン化粧板やドアなどラインアップを拡充している。
新型コロナの影響で需要が急増しており、ウイルテクトシリーズの売上高を、20年3月期の1億2000万円から23年3月期に50億円に拡大する目標を設定している。(名古屋)