これから経済封鎖がなくても10%減収、ビール各社の業績はどこまで落ち込む?
サッポロは22年ぶり赤字の見通し
ビール・飲料大手4社のうち2020年12月期連結業績予想(国際会計基準)を公表した3社がそろって減収を見込む。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛要請で4―5月に飲食店が休業し、業務用のビール類の販売が低迷。下期も感染収束が不透明なことから、3社が減収を見込むほか、サッポロホールディングス(HD)は22年ぶりの当期赤字を予想する。
サントリーHDは業績予想を未定としたが、「今後経済封鎖などがなければ、5―10%の減収とみている」(川崎益功常務執行役員)とした。
アサヒグループホールディングスは酒類事業の売上収益で前年同期比13・7%減の7656億円を見込む。小路明善社長は「スーパードライを中心に酒類事業におけるビール構成比55%を維持する」と、厳しい環境下でもビールに注力する方針を示した。
キリンHDは国内ビール・スピリッツ事業の売上収益で同4・7%減の6497億円を見込む。「業務用は選択肢が少ない一方、家庭用は価格、機能性など多様な商品が好まれる。顧客ニーズに基づき対応したい」(吉村透留常務執行役員経営企画部長)と、第三のビールを中心に販売を強化する考えだ。
サッポロHDは酒類事業の売上収益で同13・1%減の2869億円を見込む。定番のビール「黒ラベル」や第三のビールを中心に拡販し、ビアホール「サッポロライオン」など外食事業のマイナスをカバーしたい考えだ。
日刊工業新聞2020年8月10日