「賞味期限切れ」販売 100店舗に拡大、食品・日用品など約200品目扱う
フェリックス(神奈川県平塚市、扇谷光毅社長、0463・43・0628)は、小売店舗やメーカーが賞味期限切れや賞味期限間近で廃棄している商品を自社店舗で販売する「フードレス救事業」を拡大する。2年以内に現状の8店舗から100店舗まで増やし、売上高30億円を目指す。店舗の増加に合わせて、2拠点目となる物流センターも新設する。本来食べられるのに捨てられている食品ロス削減を事業として本格化する。
2019年11月から事業をはじめ、20年7月には横浜金井店(横浜市栄区)をオープンし、神奈川県内と東京都内に計8店舗ある。京浜急行電鉄と横浜市営地下鉄沿線にドミナント出店する計画で、まずは12月までに20店舗体制にする。6月末に横浜市内に1億円分の商品を保管できる物流センターを稼働させたが、店舗の増加に合わせて、新たに物流センターを設置する。
店舗の面積は平均50―100平方メートル。賞味期限切れの飲料や賞味期限間近の缶詰、カップ麺、調味料、菓子といった食品のほか、せっけんなどの日用品を含め約200品目を扱う。小売店や卸、メーカーから仕入れる際の基準として、保管状態の悪いものや流通経路で産廃扱いになったもの、賞味期限が1年以上過ぎたものは扱わない。基準をクリアした商品は、同社専属のバイヤーが官能検査(五感による検査)をしてから店頭で販売する。保健所の指導も受けている。
これまで、賞味期限が近くなり商品を廃棄していたメーカーなどからは「『フードレス救であれば、流通がはっきりしている』という理由で、大量に買い取ってほしいという要望が増えている」(鈴木盛人取締役営業本部長)という。さらなる食品ロス削減のため、今後は一部店舗で実験している見た目が悪い野菜などの生鮮品の販売も手がける計画。
日刊工業新聞2020年7月21日