覆工コンクリ打設を完全自動化!作業員を6分の1にする鹿島の技術
鹿島は、岐阜工業(岐阜県瑞穂市)、シンテック(高知市)と共同で山岳トンネル工事のコンクリート打設配管システムを開発し、覆工コンクリート打設の完全自動化に成功したと発表した。締固め不要な高流動コンクリートの採用と、コンクリートポンプ車と連動して打ち上げ高を自動制御する打設システムの導入で、打設作業の完全自動化が可能になった。打設作業員も従来の6人程度から1人に省人化できる。
今回のシステムでは、打設口の切替高さや左右に切り替えるポンプ車のストローク回数など打設計画を事前に入力するだけで、打ち上げ高さを自動で調整し、全断面を左右均等に吹き上げることが可能になった。
打設が完了するごとに吹上打設口が回転し型枠表面と同じ位置でふたが閉まり、同時に次の打設口への配管ルートを形成するため、打設中の残コンの回収や配管清掃が不要になった。また高速配管切替装置により、左右系統の切り替えは3秒で、打設口の切り替えを含めても15秒、流動停止時間を短縮した。
打設する流動性の高い高流動コンクリートは、型枠の底圧が高くなるため打設後に養生時間を要するが、今回開発した高流動コンクリートは、添加剤の配合で従来の中流動コンクリート並みの性能を実現した。
日刊工業新聞2020年7月16日