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JR四国、対話型券売機の導入で業務効率化へ

「みどりの窓口」の機能を代替
JR四国、対話型券売機の導入で業務効率化へ

JR東が3月に常磐線再開区間の無人駅で導入した「話せる指定席券売機」も、アシストマルスがベース(双葉駅)

JR四国は2020年度、駅出札業務の効率化を狙い、対話型券売機を初めて導入する。8月をめどに、3駅で稼働させる計画。乗車券や特急券、定期券を発券する「みどりの窓口」の機能を代替し、コールセンターで複数駅に対応する。鉄道利用の減少や老朽化対策費用の増加といった厳しい経営環境の下、目標に掲げる31年度の経営自立に向け、駅業務の生産性改善に取り組む。

対話型券売機は、顧客操作型の指定席券売機に、音声や映像による遠隔からの対応機能を付加した端末。JR7社の出資会社、鉄道情報システムが「アシストマルス」の名称で開発した。今春からはJR東日本とJR九州の一部駅にも導入。JR四国を除く旅客全社で稼働している。

通常は指定席券売機として使うが、証明書・割引証の確認や端末の操作に困った場合などには、コールセンターのオペレーターを呼び出せる。

このため駅窓口を無人化しても、深夜・早朝の対応などでサービス向上につながる可能性もある。

JR四国は、IC乗車券や指定席インターネット予約などの拡大でも、駅業務の負荷軽減に取り組む。ともにJR西日本のシステムを利用しており、20年度内には、訪日外国人客向け企画きっぷのネット販売も予定する。

採算性が厳しい状況にある四国の鉄道網を持続可能とするには、需要創出に取り組むのに加えて、一層の経費削減が重要となる。人手不足や高齢化に対応するためにも、駅業務の見直しは不可欠。JR他社の先行事例などを取り込みながら、情報通信技術(ICT)を活用して業務改善を進めていく。

日刊工業新聞2020年4月6日

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