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「思っただけ」で動いてくれるロボットの秘密

「ブレイン・マシン・インターフェイス」で脳に疾患を持っていてもコーヒーが飲める
「思っただけ」で動いてくれるロボットの秘密

意思でコントロールできるロボット・アームでコーヒーを口元へ運ぶハチンソンさん

**15年ぶりに自分でコーヒーを飲むことに成功
 1997年、キャシー・ハチンソンさんは脳幹卒中を患い、首から下が麻痺した。以来、両手を元どおりに動かすことがでず、ヘルパーの介助が必要。しかし2011年、彼女はタンブラーのコーヒーを飲むことができるようになる。自らの“意思”でコントロールできるロボット・アームが、そのパートナーだ。

 これは、一般的に「ブレイン・コンピューター・インターフェース」、「ブレイン・マシン・インターフェイス」と呼ばれるテクノロジー。このシステムは「ブレインゲート」という神経科医や科学者、エンジニアたちによる学際チームが開発したもの。

 米科学誌『ネイチャー』の記事によると、このロボットは、手や腕の動作を司る脳領域に埋め込まれたインプラントの96本の微細な電極が、彼女の脳細胞から発信される信号を読み取ってコンピューターへ送信。コンピューターがその情報を解析してロボットアームを動かしているという。

 GEグローバル・リサーチは、脳のニューロンが出す電気信号をより細かに把握できるようにするため、この「ブレインゲート」と協働している。

 「私たちは、神経を刺激して神経活動を記録するための超小型な脳インプラントを開発している」と言うのは、ハチンソンさんの脳に埋め込んだものと同様の神経チップを開発したGEグローバル・リサーチのエンジニア、クレイグ・ギャリガン氏。

 ギャリガン氏はその目的について「神経プローブを装着する際の切開を最小限にとどめるプロセスを確立すること。そして対象となる脳の特定領域を絞り込むこと。標的となるニューロンを正確に把握し、その領域だけを刺激できるようにすることも、研究の一環だ」という。

 「プローブのサイズがチップの成果に大きな影響を与えることは、著名な神経外科医たちの言葉からも明らかだ。細いプローブの方が組織へのダメージは少なく、長期間にわたる装着でも機能を維持できる」とギャリガン氏。脳プローブを改良するために、ワイヤレスネットワーク用の「MEMSマイクロスイッチ」を研究する社内部門の協力を仰いだ。

 「MEMS(極微小電子技術機械システム)」はヒトの髪の毛より細いにもかかわらず、電池寿命から医療機器、航空システムに至るまであらゆるものを管理することが可能。このテクノロジーの活用で、ギャリガンは縦2ミリ×横30ミクロンという、ヒトの髪の毛の直径より細いプローブの開発・テストを進めることができた。

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
グーグル元副社長の村上氏は「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)のMのところというのはマッスルであれば、よりいいはずで、徐々にサイボーグという方向性が実現されていくということになる」と見通す。 その当たりの詳細はこちらの記事に詳しく書かれているのでぜひ。 http://newswitch.jp/p/1130

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