今年度の中古スマホ販売は過去最高へ、SIMフリー端末の流通量増加
MM総研(東京都港区、関口和一所長、03・5777・0161)は、2019年度の国内中古スマートフォン販売台数が前年度比7・9%増の163万台と過去最高になるとの予測をまとめた。端末値引きの上限を原則2万円に制限した改正電気通信事業法が19年10月に施行され、新品スマホの価格が上昇した影響が大きい。中古利用しやすいSIMフリー端末の流通量が増えたことも追い風となった。
18年度は携帯通信大手による下取り販売施策の強化を受け、同1・9%減の151万台と2年連続減少していた。20年度は新品スマホ価格上昇の影響が続き、同12・9%増の184万台と予測。25年度には265万台と増加傾向が続くとみているが、さらなる市場拡大に向け、全国規模で店舗網を持つ事業者の参入、携帯大手や格安スマホ事業者による本格的な取り扱いがポイントだと分析した。
中古スマホの平均購入金額は2万3895円と、新品スマホの4万9204円の半分以下だった。
ただ、中古スマホを主端末として利用する割合は2・4%と低かった。中古スマホの購入経験者は11・8%と中古本・雑誌・マンガの62・3%、中古音楽・映像ソフトの43・2%よりも低い。中古スマホを購入・検討したくないと答えた回答者のうち「バッテリーの持ちが心配だから」を理由に選んだ割合が47・6%、「前の利用者が不明だから」が44・4%と高かった。
中古スマホ販売・修理の業界団体が19年12月にバッテリー状況確認機能の結果を店頭表示するよう求める指針を出したが、消費者が求める高水準の品質保証への対応も中古スマホ普及のカギを握る。
日刊工業新聞2020年3月13日