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ソフトバンクの潮目は本当に変わったのか、孫さんは投資会社として自信

ソフトバンクの潮目は本当に変わったのか、孫さんは投資会社として自信

孫社長

ソフトバンクグループ(SBG)は12日、子会社で米携帯電話4位のスプリントと同3位のTモバイルの合併について、米ニューヨーク州などの司法長官が差し止めを求めていた訴訟に勝訴したと発表した。すでに米司法省や米連邦通信委員会の承認を得ており、合併へ大きく前進した。

「潮目が変わった」。孫正義会長兼社長はSBGの2019年4―12月期連結決算の説明会で、その三大要因の一つに合併差し止め訴訟の勝訴を挙げた。SBGは13年にスプリントを約1兆8000億円で買収し、米携帯市場に参入。しかしスプリントは4兆円超の有利子負債を抱え、SBGの経営の重しとなっていた。18年4月にはTモバイルとの合併で合意し、19年半ばの合併手続き終了を目指していたが、承認獲得が難航していた。

合併後の新会社TモバイルUSへのSBGの出資比率は27・4%となるため、SBGの連結子会社から外れ、持ち分法適用会社となる。これにより、SBGは10兆円規模の投資ファンド「ビジョン・ファンド」を軸とした投資会社としての色合いが強まる。

巨額投資した米シェアオフィス大手ウィーワークや米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズの企業価値減でファンド事業の収益は悪化していたが、孫氏は潮目が変わった第2の理由として、19年7―9月期を底に回復基調に転じたと強調。「19年10―12月期のSBG全体の営業損益も26億円と黒字転換した」と述べた。SBGの保有株式価値から純有利子負債を引いた「株主価値」も25兆円と19年9月比で約5兆円増えたことも第3の理由に挙げた。

ビジョン・ファンドの第2号ファンドについてはウィーワークの反省を受け、「運用資金を抑えたブリッジファンドで実績を出した後に2号ファンドを始める選択肢もある」と語った。投資家の信頼を回復する次の一手に孫氏の手腕が試されることになる。

日刊工業新聞2020年2月13日

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