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日立がグループ再編の総仕上げ、上場子会社「建機」「金属」はどうなる?

金属は構造改革へ布石、建機は判断難しく
日立がグループ再編の総仕上げ、上場子会社「建機」「金属」はどうなる?

グループ再編総仕上げを目指す日立製作所の東原敏昭社長

日立製作所は上場子会社を中心にグループ再編の総仕上げに入った。19年末に上場子会社の日立化成を昭和電工へ、医療用画像診断機器事業を富士フイルムへ売却することを決定、さらに約52%の株式を持つ上場子会社、日立ハイテクノロジーズにTOB(株式公開買い付け)を実施し完全子会社化することを発表した。矢継ぎ早の決断の背景には社会イノベーション事業を柱に据える上で、非中核事業を切り離す選択と集中戦略がある。今後は残る上場子会社、日立金属と日立建機の動向が焦点になる。

日立製作所は2000年前後から半導体事業などのボラティリティー(変動率)が高い事業の切り離しを進めてきた。08年のリーマン・ショックにより巨額赤字を計上して以降は再編のアクセルをさらに踏み込み、ハードディスク駆動装置(HDD)や中小型液晶パネルなどを売却・事業統合して遠ざけた。19年1月には英国で計画していた原子力発電所建設事業の中断も決めた。

グループ挙げて注力するIoT(モノのインターネット)共通基盤「ルマーダ」との親和性が子会社売却の判断基準になる。日立ハイテクは計測と分析などが主力事業。同社の宮崎正啓社長は「グループの中でもプラットフォームになる製品を手がけている。ルマーダより現場側に近い展開をしている」とし、データ連携による日立本体との相乗効果を強調する。一方で社会イノベーション事業とやや距離がある半導体製造装置事業は今後、切り出される可能性もある。

 

最後の御三家である日立金属は、会長兼最高経営責任者(CEO)を日立本体から送り込むことを決めた。構造改革のスピードを上げ、事業再編を進める。日立建機は社会インフラ事業に欠かせない建機事業を手がけIoTとの親和性が高い。一方で業界最大手のコマツなどと比較して収益力がまだ見劣るほか、日立本体と営業手法など企業文化で相違点も多い。グループ内にいる方が成長できるか、外に出た方が良いのか見方が分かれる。

20年半ばにスイス・ABBの送配電事業買収も控える日立。業績に悪影響を与えそうなリスクをほぼ取り除けたことで、20年から社会イノベーション事業という、目指す“本業”に集中できる体制が整ったといえる。特にABBの取り込みは、110年続いてきた日立の歴史の中でも、大きな企業変革を促すインパクトになるだろう。

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明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
一部報道で日立が「建機」株の売却を検討しているとのこと。かなり以前からグループ内に建機をとどめていても成長が見込めない、という議論がありました。

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