快眠できる室内環境作ります、ふとんの西川とパナソニックがタッグ
寝具メーカーの西川とパナソニックは10日、マットレスと家電を連携してよりよい睡眠環境を提供するサービスを開発したと発表した。マットレスに搭載したセンサーで睡眠データを計測し、そのデータに基づき寝室のエアコンによる温度・風向・風量や照明による明かりを自動で調整する。国内では多くの人が睡眠不足を抱える中で技術により睡眠を改善する「スリープテック」が注目されている。11月にはフィリップス・ジャパンが睡眠の質を高めるヘッドバンド型ウエアラブル端末を発売するなどサービス投入が相次いでいる。
新サービスは専用のスマートフォンアプリと西川のセンサー搭載マットレス、パナソニックの対応家電で構成する。パナソニックが新設する電子商取引(EC)サイト「くらしサービスストア」で2020年3月18日に提供を始める。利用料は月990円(消費税込み)。そのほかマットレスや対応家電の代金が必要になる。
同サービスではまずマットレスのセンサーで睡眠中の呼吸など微細な動きから、睡眠時間や睡眠状態などのデータを計測する。そのデータと専用アプリの連携により睡眠状態に合わせて家電を自動制御する。起床に近づくにつれ、徐々にエアコンの設定温度を上げたり照明を明るくしたりする。睡眠データの可視化も行い、睡眠時間・効率などを評価して算出したスコアや睡眠の質を高める助言などを表示する。そのほかの家電についても今後連携を模索していく。
西川の竹内雅彦取締役執行役員は「パナソニックと西川の強みを掛け合わせて眠りの価値を高めるサービスが開発できた」と力を込めた。また、パナソニックアプライアンス社くらしサービスビジネスユニットの内田義人ビジネスユニット長は「(新サービスにより)翌日のパフォーマンス向上に貢献できる」と強調した。
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分でOECD加盟国の中で最も短い。睡眠不足は日常的に物忘れの増加や集中力の低下が起きる可能性のほか、認知症やうつ病などのリスクが高まる可能性が指摘されている。
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