やはり増税響く、ビール大手の販売12%減
ビール大手4社が13日に発表した10月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売動向によると、合計の販売数量は前年同月比約12%減になった。10月の消費税引き上げとこれに伴い前月に駆け込み需要(仮需)が起きた反動減の影響などにより2ケタ減だった。先行き需要増が見込める材料は少なく、年内はマイナス基調が続きそうだ。
仮需の反動減のほか、台風19号とその後の大雨による被害なども市場の下押し要因となった。ビール類でアサヒビールとキリンビールがそろって同13%減。サントリービールが同6%減、サッポロビールが同8%減と全社でマイナスとなった。ただ「9―10月の数字でみればプラス着地となり、反動減の影響は大きくはなかった」(キリン)とみる向きが大勢だ。
ラグビーワールドカップの盛り上がりでキリンが販売するビール「ハイネケン」が2・2倍に伸びるなど各社にプラス要因もあったが、全体を押し上げるには至らなかった。
11月以降の仮需反動減の影響については「12月下旬まで続く」(サントリー)見通しと「10月内で影響は終息しつつある」(キリン)と意見が分かれる。それでも市場活性化につながる材料は見当たらないのが実情で、各社ともマイナス基調とみているようだ。
日刊工業新聞2019年11月14日