AIを超える「人工生命」社会応用へ研究
ISIDとALIFE
電通国際情報サービス(ISID)は、ALIFE Lab.(東京都渋谷区)と共同で、人工知能(AI)の限界を超える可能性を持つ研究領域として注目される人工生命「ALife」の社会応用に向けた共同研究を始めた。
ALifeとは「自律性」や「進化」などを生み出す「生命の基本ソフト(OS)」を見つけようとする活動。自然の生命に特有の振る舞いを示す人工的なシステムを構築し、シミュレーションをすることで、生命の成り立ちや仕組みといった、生命現象の原理解明を目指す。
ALIFE Lab.は、複雑系科学を専門とする東京大学の池上高志教授らが中心となり、2016年に発足したコミュニティー。19年9月に一般社団法人となり、活動を本格化している。
共同研究の第1弾では「集団の形成メカニズムの分析と介入法」をテーマとする。異なる価値観を持ち自律的に行動する複数の人間が、どのような条件下で滞留し集団を形成するのか、どのような因子が集団に変化を起こすのかをALifeを用いたシミュレーションで解き明かす。
将来は、ここで得られた研究成果を都市で発生する諸課題の解決に生かしていく計画。
日刊工業新聞2019年11月8日