排便を自動で診断へ、LIXILの「AIトイレ」
高齢者施設向け
LIXILは高齢者施設において排便管理を人工知能(AI)によって自動で判定、記録、一元管理するトイレ新機能のプロトタイプ「トイレからのお便り」を開発した。手書きが一般的な排便記録を自動化することによって、把握するのが難しかった認知症の人の排便状況も把握可能になる。2020年春頃から実証実験をはじめ、技術を確立していく。高齢者施設の入居者の生活の質(QOL)向上を目指す。
トイレからのお便りは、便座の裏にイメージセンサーを取り付けて便を撮影する。便の形や大きさからAIで判断する仕組みだ。1秒かからず判断できるが、どのタイミングで判定するかは今後見極めていく。
試作品を開発するにあたり社員の協力を得て約3000の画像を収集した。国際指標であるブリストルスケールの7分類に当てはめた形と大きさをAIで自動判定できるように開発中で、80%以上の精度を目標に検証を進めている。4年前から開発をはじめ、トライアンドエラーを繰り返してきた。商品化は未定だが、今後実用化に向けて便座のみかトイレ一体型にするかなど検討している。
今後はIoT(モノのインターネット)なども活用し、集計した情報データを分析して体調変化を読み取ることも視野に入れる。白井康裕理事は「将来的には病院や医師に情報提供していければいいが、個人情報となる排便データをどう届けるか考えなければいけない」と話す。
便にはたくさんの情報が詰まっており、高齢者の健康管理に排便管理はとても重要だ。高齢者施設では、便秘による腸閉塞(へいそく)などを防ぐため目視確認や手書きの記録によって排便管理している。恥ずかしいといった課題もあり、新技術導入によって入居者のQOL向上を狙う。LIXILでは、ユニバーサル社会の実現を掲げ、年齢や性別、障がいの有無に関係なく使えるサービスや製品の提供を目指す。(取材・高島里沙)
トイレからのお便りは、便座の裏にイメージセンサーを取り付けて便を撮影する。便の形や大きさからAIで判断する仕組みだ。1秒かからず判断できるが、どのタイミングで判定するかは今後見極めていく。
試作品を開発するにあたり社員の協力を得て約3000の画像を収集した。国際指標であるブリストルスケールの7分類に当てはめた形と大きさをAIで自動判定できるように開発中で、80%以上の精度を目標に検証を進めている。4年前から開発をはじめ、トライアンドエラーを繰り返してきた。商品化は未定だが、今後実用化に向けて便座のみかトイレ一体型にするかなど検討している。
今後はIoT(モノのインターネット)なども活用し、集計した情報データを分析して体調変化を読み取ることも視野に入れる。白井康裕理事は「将来的には病院や医師に情報提供していければいいが、個人情報となる排便データをどう届けるか考えなければいけない」と話す。
便にはたくさんの情報が詰まっており、高齢者の健康管理に排便管理はとても重要だ。高齢者施設では、便秘による腸閉塞(へいそく)などを防ぐため目視確認や手書きの記録によって排便管理している。恥ずかしいといった課題もあり、新技術導入によって入居者のQOL向上を狙う。LIXILでは、ユニバーサル社会の実現を掲げ、年齢や性別、障がいの有無に関係なく使えるサービスや製品の提供を目指す。(取材・高島里沙)
日刊工業新聞2019年10月24日