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チャットボットが困った時、フォローを在宅勤務者に

チャットボットが困った時、フォローを在宅勤務者に

資料をディスプレーに表示して利用者に説明することもできる

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、チャットボット(自動応答ソフト)が回答できない場合に遠隔地のオペレーターに接続するバーチャル応対システムを開発した。ディスプレーに映るアニメキャラクターの口や首がオペレーターの音声や動作に連動して動くため、より人間に近い応対が可能。オペレーターは顔を見せずに遠隔で対応できるため、子育て中の女性など在宅勤務者を活用した案内窓口サービスが可能となる。2024年度までに20億円の売り上げを目指す。

 チャットボットを利用した自動応対サービスは駅や企業、店舗の窓口などで普及し始めているが、複雑な質問には回答できない場合が多い。

 NTTコムの「テレイグジスタンス(遠隔存在)コンシェルジュ」はチャットボットが答えられなかった際、利用者が「コンシェルジュ」と呼びかけることで遠隔地にいるオペレーターと接続する。

 オペレーターはノートパソコンとウェブカメラ、ヘッドセットがあれば業務可能。ウェブカメラで読み取ったオペレーターの顔の表情や首の動きを画像解析エンジンが解析し、ディスプレー上のアニメキャラに反映させる。オペレーターの声をアニメキャラの声に変えることもできる。

 顧客企業が持つ既存のチャットボットとの連携も可能。チャットボットは英語、中国語、韓国語にも対応するため、外国語を話せる人材確保が難しい地方の百貨店などでも遠隔地の人材を活用して訪日外国人向けの案内窓口を設置できる。また、ディスプレーにカタログを表示できるため、旅行代理店や銀行が商品の販売ツールとして活用も可能。新規店舗などに応援社員を派遣することなく顧客対応窓口を増やせる。

 参考価格は初期費用が20万円から、月額費用がチャットボット接続システムとオペレーター接続システムのセット利用で10万円から。利用者に好感をもってもらうため、有名なデザイナーに依頼してオリジナルのキャラクターも作成できる。

日刊工業新聞2019年10月28日

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