ニュースイッチ

子どもが目の検査嫌がらない、新器具を監修した北里大教授のアイデア

ポケモンを活用
子どもが目の検査嫌がらない、新器具を監修した北里大教授のアイデア

検眼用器具「ポケモンオクルーダ」

 “ポケモン”で目の検査を楽しく―。北里大学の半田知也教授が監修し、ヤグチ電子工業(宮城県石巻市)が製造販売する検眼用器具「ポケモンオクルーダー=写真」が好評だ。ピカチュウなどのポケットモンスターが描かれており、小さい子どもに親近感を与えることで斜視や弱視の検査時の不安を軽減している。

 同オクルーダーは、両目を使った立体視や斜眼の度合いを確認する簡易眼位スケールと、左右どちらの目を「利き目」に使っているかを見るホール・イン優位眼テストの2種類。無機的なテストより親しみやすく、子どもが検査を嫌がらないという。胸ポケットに差し込めるため、子どもとの話題の接ぎ穂にもなる。

 子どもの弱視や斜視は早期の治療が必要で、ある程度の期間がたってしまうと治療効果が薄れる。検査を嫌がらないことはとても重要で、ポケモンは海外でも人気のため世界中で活用できる。

 ポケモンを使ったのは半田教授のアイデア。半田教授は眼科で使う器具が子どもの利用を考えていないことを課題として捉え、オクルーダーのほかにも多くの子どもが受け入れやすい検査、治療用器具を開発してきた。「楽しく検査することが重要」とし、今後も企業などを巻き込み、さまざまな眼科向けの機器を作りたいとしている。
日刊工業新聞2019年8月22日

編集部のおすすめ