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NTTの将来の柱、ビジネスモデル「BtoBtoX」成長の道筋

2021年度までにプロジェクト数100に
NTTは、連携企業を介して個人や法人向けに付加価値の高いサービスを提供するビジネスモデル「BツーBツーX」を用いたプロジェクト数を現状の13から2021年度までに100に増やす。連携企業が持つビッグデータ(大量データ)の活用や業務のデジタル化をNTTグループが支援することで、より質が高いサービスを連携企業が提供できるようにする。

 BツーBツーXを用いたプロジェクトは、人工知能(AI)を活用した金融・流通業の顧客対応の進化、デジタル化による製造業や農林水産業の生産工程の見える化、スマートフォンサービスのデータと企業保有データの融合によるサービスの高度化、観光客の行動分析による地域活性化などを想定する。

 このうち、NTTドコモはスマートフォンの利用データから信用スコアを算出する「ドコモ・レンディングプラットフォーム」(融資基盤)を3月から新生銀行に提供する。新生銀行は、ドコモ契約者の支払い状況やサービス利用履歴をもとに算出した信用スコアが高い顧客に金利を低くした融資を行える。顧客の状況に応じた最適なサービスを提供することが可能になるため、全国の金融機関へ採用を働きかける。

 このほか、貨物専用フェリーの効率航行に向けた船用IoT(モノのインターネット)データ収集基盤の共同実験を日本郵船などと行っているが、外航船でも実証実験できるようにする。

 ファナックなどと進めるスマート工場化では、より多くの製造機械のデータを収集できるIT基盤にするなど「機能の高度化など早く次の展開策を進めていく」(澤田純NTT社長)という。BツーBツーXを用いたプロジェクトの具体的な売り上げ目標も設定する。

         
日刊工業新聞2019年1月11日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
「BツーBツーX」のビジネスモデルはNTTの鵜浦博夫前社長が「NTTの競争力となり、持続的な成長につながる」と話すなど、将来の柱事業に育てようと推進されていました。昨年6月にそのバトンを受けた澤田社長が今後、どのように成長曲線を描くのか注目されます。

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