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“意外と好み”の店を提案、慶応大が開発したシステムとは?

思わず足を運びたくなる店はどうやって探す?
 慶応義塾大学理工学部の金子晋丈(くにたけ)専任講師らは、ユーザーの好みに合わせながら、今まで気付かなかった意外な飲食店の発見につながる推薦システムを開発した。ユーザーがインターネット上でアクセスした店だけでなく、そこから派生した広範囲の情報源による店の情報を取得。ユーザーの好みに合わせた選別条件を入れることで、思わず足を運びたくなる飲食店を推薦する。

検索履歴・他ユーザーのデータ参照


 ユーザーと同じ店を訪問した他のユーザーが行く別の店など、相違点となる情報に着目。似た嗜好(しこう)を持つ他のユーザーのお気に入りを推薦システムに取り込み、さらにユーザーの好みに合わせ“ふるい”にかける。ユーザーの気分や好みに合わせつつ、今までの検索にはかからなかった店の発掘につながる。

 コンテンツの範囲を慶大日吉キャンパス(横浜市港北区)付近の飲食店に限定し、システムを実証した。他の地域での応用も可能。現在はパソコン上で動作させているが、今後スマートフォン用アプリケーションへの適用も視野に入れる。

 従来の推薦システムでは、ユーザー自身が最近行った店の情報などを基に、「豚骨ラーメン店」などといった同系統のコンテンツが推薦され、ユーザーの購買意欲が向上しないという問題点があった。

 14日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開く「慶応科学技術展」(日刊工業新聞社後援)で発表する。
日刊工業新聞2018年12月7日

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