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宅配急増で新たなリスク、誤配送対応費用を補償する保険特約

三井住友海上火災保険
宅配急増で新たなリスク、誤配送対応費用を補償する保険特約

宅配急増で新たなリスクが発生している(イメージ)

 三井住友海上火災保険は、荷主から預かった貨物の損害などを補償する「運送業者貨物賠償責任保険(運賠)」を10月に改定する。誤配送に伴う再配送費用などを補償する特約を新設するほか、保険金の支払限度額を1事故当たり5000万円から1億円に引き上げる。同社が運賠を改定するのは3年ぶり。補償を細分化し、人手不足などを背景に増加する運送業界の事業リスクに対応する。

 今回の商品改定では、貨物を指定先以外に誤って配送した際に、貨物を回収したり本来の届け先に輸送したりする費用を補償する特約を設ける。

 国土交通省によると、2016年度の宅配便の取り扱い個数は約40億個と、ネット通販が拡大する中で06年に比べ約37%増加した。宅配便の急増で誤配送も増えており、バーコードの貼り間違いで遠方に配送し対応費用がかさむ事例も出ている。これらは特に事業費の限られる中小企業が新しい事業リスクとみており、補償の要望が強かった。

 さらに、保険金の支払限度額を2倍にする。同社によると運送業界は人手不足で大規模輸送が増えて、トラック1台当たりの積載額も増加する。補償の限度額を大幅に引き上げ、取扱量が多い大手業者などが保険を使いやすくする。

 また、不慣れな作業者が増える中で、装置の誤操作などで冷凍や冷蔵車両のコンテナ内の温度が上がってしまい、生鮮食品などが傷む貨物事故も増える傾向にある。これにも特約を新たに設け、補償を提供する。一定の温度を保ちながら貨物を運ぶ定温輸送を強化する企業などに商品を訴求する。運賠は運送保険の一種で、運送を引き受けた貨物の破損や、火災、水ぬれ、盗難などに対する賠償責任を補償する。
日刊工業新聞 2018年9月20日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
宅配便の急増によって、宅配ロッカーや配送を効率化するIoT技術など、他の産業にも変化が出てきています。

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