自動車用防振ゴムで世界首位、住友理工は地球に対して何ができるかを考える
自動車用防振ゴムで世界首位の住友理工は、CSR(企業の社会的責任)経営を前面に打ち出している。その姿勢は負担としてではなく、持続的成長に必要不可欠なピースとしてCSRと向き合うものだ。CSR部の戸成司朗さんに現在の取り組みや考え方を聞いた。
―CSR経営を重視しています。
「2014年から『価値創造型CSR経営』を掲げてきた。社会にポジティブなインパクトを与える企業として、住友理工がこの町にあって良かったと思われるようにしたい。社会にネガティブなインパクトを与えない『コンプライアンス(法令順守)型CSR経営』や、社会と共存する『共存型CSR経営』の次の段階となる」
―具体的な取り組みは。
「例えば、製品に使用する天然ゴムでは環境破壊や児童労働が問題になるので、“健全な天然ゴム”を調達するようにしている。生産国であるタイやインドネシアの農家などには実際に現地調査をしており、トレーサビリティー(生産履歴管理)も進めている」
―コストや労力もかかりますね。
「短期では財務指標は落ちるかもしれないが、長期では生産性が上がる。負荷のかかるものもあるが、リスクと捉えて事前に算出しておけば回避できる。環境問題の影響で海外の規制が変わることなども想定しておかないと、操業停止にもなりかねない。(国際連合の)SDGs(持続可能な開発目標)を前提にして、これから世界で法律ができる。ROE(株主資本利益率)だけでは健全かどうかは分からず、リスクを抱えているかもしれない。キャッシュフローの持続可能性とは別に、非財務諸表の公益価値も高めなければならない」
―課題はどのように認識していますか。
「最大の課題は社内の共感を向上させていくこと。従業員それぞれが、我がことにしないといけない。グローバル営業会議などでも説明しているので、理解を深めてもらい、取引先ともCSRを推進したい。異常気象も起こる中、地球に対して何ができるかを考えたい」
(文・今村博之)
―CSR経営を重視しています。
「2014年から『価値創造型CSR経営』を掲げてきた。社会にポジティブなインパクトを与える企業として、住友理工がこの町にあって良かったと思われるようにしたい。社会にネガティブなインパクトを与えない『コンプライアンス(法令順守)型CSR経営』や、社会と共存する『共存型CSR経営』の次の段階となる」
―具体的な取り組みは。
「例えば、製品に使用する天然ゴムでは環境破壊や児童労働が問題になるので、“健全な天然ゴム”を調達するようにしている。生産国であるタイやインドネシアの農家などには実際に現地調査をしており、トレーサビリティー(生産履歴管理)も進めている」
―コストや労力もかかりますね。
「短期では財務指標は落ちるかもしれないが、長期では生産性が上がる。負荷のかかるものもあるが、リスクと捉えて事前に算出しておけば回避できる。環境問題の影響で海外の規制が変わることなども想定しておかないと、操業停止にもなりかねない。(国際連合の)SDGs(持続可能な開発目標)を前提にして、これから世界で法律ができる。ROE(株主資本利益率)だけでは健全かどうかは分からず、リスクを抱えているかもしれない。キャッシュフローの持続可能性とは別に、非財務諸表の公益価値も高めなければならない」
―課題はどのように認識していますか。
「最大の課題は社内の共感を向上させていくこと。従業員それぞれが、我がことにしないといけない。グローバル営業会議などでも説明しているので、理解を深めてもらい、取引先ともCSRを推進したい。異常気象も起こる中、地球に対して何ができるかを考えたい」
(文・今村博之)
日刊工業新聞2018年8月10日