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建機レンタル連鎖倒産、急成長の裏に傍若無人な営業あり

ビバックがPROEARTHに続く
 5月7日、建設機械販売・レンタルのビバック(東京都品川区)が東京地裁へ自己破産を申請、同日破産手続き開始決定を受けた。負債総額は子会社と合わせて約195億円と今年2番目の水準に達した。

 倒産理由は2017年末に倒産したPROEARTH(神奈川県厚木市)に対する連鎖倒産だ。両社ともに、銀行から融資を受けて建機を仕入れ、リース会社と組んで物件を貸し出すレンタル事業を手がけ、東日本大震災の復興需要なども追い風に会社設立から10年余りで年商200億円に迫る急成長を遂げていた。

 だが、彼らがあまりに高くメーカーから買い過ぎ、在庫を持ち過ぎていることを危惧する声は多かった。他社の顧客を奪う強引な営業など傍若無人さも敵をつくった。在庫は両社間で、もしくはグループ会社やそのほかの親密取引先と融通、転売し合う。循環取引であったかどうかはともかく、相当に危うかった。

 PROEARTHに対する焦げ付き額は8億1800万円。「16年秋から段階的に取引を縮小、17年春には完全に取引を解消した」と言明していたにもかかわらず、ふたを開けてみると実質債務超過に転落する巨額損失だったことで、信用は完全に失墜した。

 年末からは債権者が押し寄せ、資金繰りのために建機をたたき売り、手形ジャンプでも何でも不渡り回避のためには何でもすることとなる。

 4月に入ると、騒ぎは沈静化したが、大口の手形決済をクリアできたからではない。1―3月の間、会社側からはPROEARTHとの取引の経緯や債務整理の方針などに明確な説明がなかった。

 多くの債権者は、この間に見切りをつけたのだ。スポンサーはつかず、事業継続型の民事再生でもなかった。債権者説明会も淡々としていたという。信用を失った17年末の時点で、既に倒産していたのかもしれない。
(文=帝国データバンク情報部)
<会社概要>
(株)ビバック
住所:東京都品川区旗の台2−1−6
代表:山田泰之氏
資本金:1000万円
年売上高:約192億3900万円(17年3月期)
負債:約185億円
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
世の中には健全な建機レンタルの会社もたくさんあるだけに残念です。

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