ヤマハ発の「次世代バイク」、プロダクトを研ぎ澄ませ突き抜ける
事業トップに聞く「負けるプラットフォームでは意味がない」
日系2輪メーカー各社が、さまざまな手を打ち始めている。国内で台数減少を続ける中、新販売店網の構築や新機種投入で活性化を狙う。電動2輪車など次代に向けた先進技術の開発も進む。海外はアジア市場を中心に、台数を伸ばそうとしている。将来の戦略について、ヤマハ発動機執行役員MC事業本部長・木下拓也氏に聞いた。
―注力する市場は。
「当社の主要顧客である中間層の人口は、2030年に世界で20億人になるとされる。成長を期待するのはインドやアフリカなどの新興市場。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域は我々の主戦場だ。ここでいかに利益率を高めるかが、中期経営計画の取り組みで今後も変わらない。プラットフォーム(PF)化や高付加価値モデルの販売増加で収益力が高まってきた」
―PF化の進捗(しんちょく)は。
「PFモデルが主軸のアセアン4カ国では、17年度に販売台数の約7割を占めた。今後も比率を高めるが、競争もあり全てをPF化するわけではない。基本は生活の足になるタイプがPF化の対象。商品力勝負の領域はプロダクトを研ぎ澄ませ、突き抜けないといけないこともある」
―次世代PFの開発にも着手しました。
「すぐ負けるPFでは意味がないので、新しいPFの開発は『これで勝つ』と決めて作る。市場環境が大きく変化する中、PFの価値をどこに置くかは柔軟に考えている。年内に試作、20年頃の投入というスケジュールはほぼ変わっていない」
―次世代PFの開発の方向性は。
「電動2輪車との共通化や転用も視野に、変化に対応できるPFでなければならない。電動2輪車の生産については、既存のエンジン車のラインで流す選択肢もあるが、コストが合うかどうか。電動化でコンポーネンツもサプライヤーも変わる。何が最適か、柔軟に検討したい」
―モビリティーとロボティクスを融合した次世代バイクの開発も進んでいます。
「我々の資産はモビリティーとロボティクスにあると再認識している。モビリティーとビジネスベースのロボティクス事業の両方を持つ企業は少ない。当社は『感動創造企業』と言い続け、製品やサービスを通じた感動体験の提供に尽力してきた。技術が進化してもテーマは不変。『モノ』より『コト』。顧客のバイクライフを支援するために何ができるかを考え、提案し続けたい」
(聞き手=田中弥生)
―注力する市場は。
「当社の主要顧客である中間層の人口は、2030年に世界で20億人になるとされる。成長を期待するのはインドやアフリカなどの新興市場。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域は我々の主戦場だ。ここでいかに利益率を高めるかが、中期経営計画の取り組みで今後も変わらない。プラットフォーム(PF)化や高付加価値モデルの販売増加で収益力が高まってきた」
―PF化の進捗(しんちょく)は。
「PFモデルが主軸のアセアン4カ国では、17年度に販売台数の約7割を占めた。今後も比率を高めるが、競争もあり全てをPF化するわけではない。基本は生活の足になるタイプがPF化の対象。商品力勝負の領域はプロダクトを研ぎ澄ませ、突き抜けないといけないこともある」
―次世代PFの開発にも着手しました。
「すぐ負けるPFでは意味がないので、新しいPFの開発は『これで勝つ』と決めて作る。市場環境が大きく変化する中、PFの価値をどこに置くかは柔軟に考えている。年内に試作、20年頃の投入というスケジュールはほぼ変わっていない」
―次世代PFの開発の方向性は。
「電動2輪車との共通化や転用も視野に、変化に対応できるPFでなければならない。電動2輪車の生産については、既存のエンジン車のラインで流す選択肢もあるが、コストが合うかどうか。電動化でコンポーネンツもサプライヤーも変わる。何が最適か、柔軟に検討したい」
―モビリティーとロボティクスを融合した次世代バイクの開発も進んでいます。
「我々の資産はモビリティーとロボティクスにあると再認識している。モビリティーとビジネスベースのロボティクス事業の両方を持つ企業は少ない。当社は『感動創造企業』と言い続け、製品やサービスを通じた感動体験の提供に尽力してきた。技術が進化してもテーマは不変。『モノ』より『コト』。顧客のバイクライフを支援するために何ができるかを考え、提案し続けたい」
(聞き手=田中弥生)
日刊工業新聞2018年5月25日