高成長のエアバッグ市場、旭化成がベトナムでナイロン繊維年1万トン生産へ
旭化成は、ベトナムに自動車用エアバッグに使うナイロン繊維の新工場を2022年に建設する方針を固めた。稼働当初は年産1万トンで始める。原糸のほかに基布(きふ)など下流工程への進出も検討する。エアバッグは世界的な自動車生産台数の増加に加えて、先進国中心に1台当たりの搭載数が拡大。さらに新興国での規制強化も需要拡大の追い風となっており、生産体制を増強することでグローバルな需要増への対応力を強化する。
旭化成は、ベトナムでエアバッグ原糸となるナイロン66繊維の工場建設に向けたFS(実行可能性調査)を始めた。北部のハノイと南部のホーチミン周辺を候補に立地などを詰めている。22年の工場稼働当初は年産1万トンだが、将来は同3万トンまで増設する計画。総投資額は100億円規模の見込み。ナイロン66繊維事業で初めての海外工場となる。
同社は原糸の製造に特化しており、その糸をもとにした基布の製織や縫製は住友商事や帝人グループとの共同出資会社でそれぞれ手がけてきた。ベトナムでも既存の枠組みを活用して、下流工程に乗り出す可能性がある。競合の東レや東洋紡は原糸から基布まで一貫生産体制を敷く。
旭化成は宮崎県延岡市の既存拠点で増強工事中だ。19年度内に新設備を稼働させ、ナイロン66繊維の生産能力を現状比15%増の年3万8000トンに引き上げる。ただ同社唯一のナイロン66繊維工場は拡張余地がなく、事業継続計画(BCP)の観点からも新たな生産拠点が必要だった。
エアバッグの世界市場は成長率が年4%で、アジア地域に限れば7%とより高い伸びを予想する。先進国では一般的な運転席や助手席用以外に、自動車の側面窓と乗員の間に展開するサイドカーテンエアバッグが標準装着されつつある。また、歩行者用や、運転席と助手席間のセンターエアバッグなど搭載部位は今後増える傾向だ。インドや中国でも安全規制の強化により需要拡大が確実視される。
旭化成は、ベトナムでエアバッグ原糸となるナイロン66繊維の工場建設に向けたFS(実行可能性調査)を始めた。北部のハノイと南部のホーチミン周辺を候補に立地などを詰めている。22年の工場稼働当初は年産1万トンだが、将来は同3万トンまで増設する計画。総投資額は100億円規模の見込み。ナイロン66繊維事業で初めての海外工場となる。
同社は原糸の製造に特化しており、その糸をもとにした基布の製織や縫製は住友商事や帝人グループとの共同出資会社でそれぞれ手がけてきた。ベトナムでも既存の枠組みを活用して、下流工程に乗り出す可能性がある。競合の東レや東洋紡は原糸から基布まで一貫生産体制を敷く。
旭化成は宮崎県延岡市の既存拠点で増強工事中だ。19年度内に新設備を稼働させ、ナイロン66繊維の生産能力を現状比15%増の年3万8000トンに引き上げる。ただ同社唯一のナイロン66繊維工場は拡張余地がなく、事業継続計画(BCP)の観点からも新たな生産拠点が必要だった。
エアバッグの世界市場は成長率が年4%で、アジア地域に限れば7%とより高い伸びを予想する。先進国では一般的な運転席や助手席用以外に、自動車の側面窓と乗員の間に展開するサイドカーテンエアバッグが標準装着されつつある。また、歩行者用や、運転席と助手席間のセンターエアバッグなど搭載部位は今後増える傾向だ。インドや中国でも安全規制の強化により需要拡大が確実視される。
日刊工業新聞2017年5月24日