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埼玉の焼き鳥チェーン、M&Aで日本酒の輸出免許と販路を獲得

埼玉の焼き鳥チェーン、M&Aで日本酒の輸出免許と販路を獲得

イタリア・フィレンツェの店舗では日本酒の普及イベントも催した

 ひびき(埼玉県川越市)は、日本酒の輸出事業に乗り出す。M&A(合併・買収)により、酒類の輸出免許を持つ企業を継承し、すでに飲食店を展開しているアジアや欧州などのレストランやホテル、量販店などに埼玉県産を中心とした日本酒を販売する。7月末にも営業活動を開始し、秋頃の初出荷を予定。初年度5000万円の売り上げを目指す。

 ひびきはシンガポールとイタリアに焼き鳥をメーンとした飲食店を出店しており、同時に日本酒もメニューに加え、その普及に努めている。ただ、酒類の小売り免許がないため、栓をした状態の瓶で日本酒を販売することができなかった。それが2017年末、経済産業省の「地域未来牽引企業2000社」選出を機に、事業継承などM&A案件の紹介が急増。結果、6月末にも免許を持つ企業のM&A手続きを完了するまでに至った。

 他方、昨年からは地元の酒蔵と連携し、麹(こうじ)室での麹ふりから共同で日本酒の製造を手がけるなど、日本酒の商品化にも積極的に関与。今後は原料の酒米の生産にも参画し、農商工連携で地域経済を活性化させる事業展開を目指している。輸出事業もその一環で、シンガポールとイタリアを中心に、ベトナムや欧州主要国への拡販を計画している。
日刊工業新聞社2018年4月23日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ひびきのウェブサイトを見ると焼き鳥が本当に美味しそうで、お腹が減りました。

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