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パート・アルバイト従業員向け「前給サービス」、地銀連携で広がるか

東京都民銀行のフィンテック子会社が他行へ提供
 きらぼしテック(東京都港区、西村浩司社長)は、親会社の東京都民銀行が開発した「前給サービス」の仕組みを活用したフィンテックビジネスの強化に乗り出す。前給サービス利用者向けに電子マネーや海外送金など新たなサービスを加えたアプリケーションを開発し、今夏にも他の地方銀行と業務連携して提供する。地銀同士で連携しノウハウを提供することで、手数料収入増を急ぐ。

 前給サービスは、パート・アルバイト従業員の給料日前の資金ニーズに応える有料サービスで、働いた範囲内で給料日前に資金を受け取ることができるもの。

 全国650社超が導入し、登録者数は約108万人。利用は年率8―10%で伸びており、手数料収入は年間約5億円にのぼる重要な収入源の一つとなっている。大手外資系飲食チェーン店など東京に本社を置く企業中心に展開しているが、今後は大阪に本社を置く100人規模の企業にも活用してもらえるよう地銀と提携し、ノウハウを移植することで手数料をさらに稼ぎ出す計画だ。

 都民銀行は2017年12月にSBI証券と、金融商品仲介業サービスで提携した。両社のノウハウを活用して新たなアプリでは、国内株式取引のほか保険、投資信託、電子マネー、外国人向けには海外送金などを段階的に展開する計画だ。

 きらぼしテックは、17年11月に設立した都民銀行の完全子会社。西村社長は都民銀行執行役員で営業統括部部長。前給サービスを考案した人物でもある。
日刊工業新聞2018年4月19日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
都民銀行は2017年12月にSBI証券と、金融商品仲介業サービスで提携した。両社のノウハウを活用して新たなアプリでは、国内株式取引のほか保険、投資信託、電子マネー、外国人向けには海外送金などを段階的に展開する計画という。ただ「前給サービス」はフィンテックと呼べるのだろうか…。

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