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大手ビール4社、好調なのはどこ?

ビールの需要、じわじわ減少続く
 大手ビール4社の1―3月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)販売動向が12日までに出そろい、ビール類が前年同期比1%程度の減少となった。このうちビールではキリンビールが比較的好調な一方で、アサヒビールなどが苦戦している。3月以降の業務向け値上げが仮需と反動減の影響を出し始めた。また、第三のビールは前年同期比で2%程度の増加だった。

 キリンは1―3月で同5%増を確保した。ビールが、同7%増となった。さらに第三のビールも同13%増と増え、18年に投入した2商品が寄与している。

 一方、アサヒは同期で同7%減。このうちビールが同8%減で、特に3月の販売は前年同月比22%減と低迷したことが響いた。3月に業務向けを値上げしており、2月の仮需の反動減が大きかった。

 サッポロビールは1―3月で前年同期比2・5%減だった。うちビールは同1・4%増だったが、第三のビールが主力商品のリニューアルにより在庫が削減したことが影響し、同17・5%減だった。

 サントリービールは同1%増。第三のビールは同4%増を確保。高アルコール商品が伸びたことが寄与した。

 ビール4社の3月単体のビール類販売は前年同月比2%弱の減だった。アサヒ以外の各社でビールの業務向け値上げ前の仮需が起きた。ただ、4月以降はこの反動減が見込まれ、マイナス基調を、第三のビールなどで補完できるかがカギになりそうだ。
日刊工業新聞2018年4月13日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
「安くて早く酔える」高アルコールの酎ハイなどが人気という情報もありますが、これは酒メーカーから見れば単価・本数共に下がりかねない動きではないでしょうか。消費者ニーズを満たしつつ、どのように市場規模(や利益)を保っていくのでしょうか。

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