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2017年度グッドデザイン大賞、ヤマハの新しい管楽器「Venova」に決定

楽器が大賞に選ばれるのは初
2017年度グッドデザイン大賞、ヤマハの新しい管楽器「Venova」に決定

「Venova」

 日本デザイン振興会は、グッドデザイン賞の2017年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)に を選定した。

 2017年度のグッドデザイン賞受賞作1,403件の中から、大賞候補7件を選出。審査委員、グッドデザイン賞受賞者、「みんなで選ぶグッドデザイン大賞」展来場者による投票を実施し、最多得票数を得た同作品が大賞を受賞した。
グッドデザイン賞の審査対象は4,495件で、昨年より410件増加した。

 受賞作品発表にあたり、永井一史審査委員長は「今年度はバラエティに富んだ候補が多かった。その中でもVenovaはアコースティックな楽器を発明したこと、楽器という形でデザインの先にある楽しみが多くの人に伝わったことが評価された」と評した。また柴田文江副委員長は「今年は日本のモノづくりが元気になり、これから新しいものが生まれてくるというのを感じた。楽器という長い伝統があるジャンルで丁寧に開発をしてきたことが伝わり、デザインは時代や伝統を超える力があるのだと感じた」と話した。

 VenovaはABS樹脂製のソプラノサックスに似た新しい楽器。1992年にコンピューターシミュレーションで原理を発見し開発に着手、2017年8月より販売開始した。管楽器は円錐形状だが、Venovaは「分岐管構造」と蛇行形状で、円筒管にもかかわらずサックスのような音色を出すことに成功した。幅広い人に楽しんでもらうため、軽くて扱いやすく、価格を抑えた。
 ヤマハデザイン研究所の川田学所長は受賞に際し、「ヤマハとしても大賞受賞は初めてで、楽器が大賞を獲るのも初めて。音響設計やプロダクトデザインなど一丸となって開発してきた。高級なものを作り続けることだけでなく、手軽な価格で多くの人に楽しんでもらえるものを作ることがプロダクトデザイナーとしての使命だと思う」と語った。デザインを担当した同研究所辰巳恵三氏は「おもちゃではなく『管楽器』として接してもらうためにデザインを工夫した。四角い形だと電子楽器だと思われるため、現在の管楽器に近いデザインになった」と話した。
左より、永井審査委員長、川田所長、辰巳氏、柴田副委員長

 同賞金賞(経済産業大臣賞)には、ソニーのスマートプロダクト「Xperia Touch」、文響社の漢字ドリル「うんこ漢字ドリル」など、19件が受賞した。
 特別賞は「未来づくり」「ものづくり」「地域づくり」「復興デザイン」4部門で全25件が受賞した。
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昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
「Venova」はリコーダーとソプラノサックスを合わせたような楽器です。サックスよりも単純な作りなので音を安定させるのが難しいようですが、軽くて扱いやすく、水洗いもできます。管楽器奏者の間でも話題で現在は入荷待ち状態。気軽にリード楽器が楽しめる画期的は発明です。

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