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現役高校生チーム、アメリカのロボット大会に挑む!目指すは予選突破

スポンサー企業との交渉、英語のルールの理解も自力で
現役高校生チーム、アメリカのロボット大会に挑む!目指すは予選突破

インディゴニンジャズのメンバー。(左から)李為達さん、高橋拓也さん、五十嵐幸輝さん、上原聡史さん

 日本の高校生チームが米国の高校生ロボット大会に参加する。資金集めからロボット製作までを高校生主体で行うことが特徴だ。ロボット製作だけでなくスポンサー企業との交渉、英語のルールの理解などを学業と両立して行うのはかなりの苦労を伴いそうだが、メンバーは「なかなか経験できない事ばかりで面白い」と口をそろえる。予選は2018年3月に行われ、引き続き資金を募っている。

やる気重視


 米国の高校生ロボット大会「ファースト・ロボティクス・コンペティション(FRC)」は92年から毎年開催されている。高校生主体で何でも行う大会で、競技の内容が毎年変わることもユニークな点だ。17年の大会は約3000チーム、7万5000人が参加した。燃料やギアを集め、飛行機に登るといったルールだった。

 日本からは次の大会に2チームが参加する予定という。その一つ、東京都や神奈川県などの高校生が集まるチーム「インディゴニンジャズ」は、2015年から毎年予選に出場している。いまのチームは1年生主体で14人。4校からチームに参加しているが、設立の経緯により開成高等学校(東京都荒川区)で部活が物理部の生徒が多い。副代表の五十嵐幸輝(開成高1年)さんによると「やる気を重視して声をかけ、人を集める」方法でチームを編成する。だが、神奈川から参加した李為達さん(聖光学院高1年)のように展示会などでチームを知り、参加申請したという猛者もいる。

役割分担制


 ノウハウは、残留メンバーに加えて卒業した生徒の一部がメンターとして支えて引き継ぐ。資金調達は全くのゼロからではなくなり、かなり楽になったという。数多い業務は分担制で負担を低減する。ロボット製作での分担だけでなく、スポンサー集め、会計、広報、通訳などさまざまだ。上原聡史さん(開成高1年)は通訳のためチーム入りした。ロボット技術ではなく、膨大な英語の資料を読み解いたり現地でのコミュニケーションを円滑にしたりでチームを支える。

楽しみながら


 ロボット製作はこれからが本番だ。ルールなどの詳細が明らかになるのが来年1月。ロボットの製作はユカイ工学(東京都新宿区)のラボを使う。だが、全員が集まる機会は少ない。もう一人の広報担当の高橋拓也さんは開成物理部長(1年)もしながらのチーム参加。だが苦労は見せず「前回の予選ではトラブルで悔しい思いをした。楽しみつつ成果を出したい」と意欲を示す。前回のハワイ予選では37チーム中28位。今回は次に進む可能性が残る18位以内を目指す。

 資金面では、参加費や制作費、渡航費などで約200万円が必要だ。スポンサーになるとロボットやチームのTシャツに企業ロゴなどの広告を載せられるという。
(文=石橋弘彰)
日刊工業新聞2017年11月1日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
海外への挑戦は大きな経験と勉強になるでしょう。後進を支えたい意欲のある大人のみなさんはぜひスポンサーに名乗りを上げてほしいものです。

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