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【坂口孝則の新調達法#01】攻めのRFIとは

既存サプライヤー群よりも、優れた側面を明らかにする
 これから調達・購買部門は、既存サプライヤーの中で優れたところに集約すると同時に、新規サプライヤー発掘によって「血」を入れ替える必要がある。既存だけでは新たな情報が入らず、またコストも硬直化する可能性があるからだ。

 そこで、取引に足るサプライヤーかどうかを判断する際に欠かしてはいけないポイントはなんだろうか。そのポイントを、ノックダウンファクターと呼ぶ。

 ノックダウンファクターとは「自社と取引をする際に最低限満たさなければならない条件」だ。新規サプライヤーを探す時、どうしても調達・購買部員は価格だけで決めがちだ。しかし、社内の要求事項も同時に満たさなければ採用はおぼつかない。

 取引前に品質、コスト、納期のQCDレベル全てを把握はできない。ただ、できるだけ把握するように努めるべきだ。表を参考に、各社ごとに項目を追加してほしい。そして、時代経過とともに、質問項目を続々と追加してほしい。

 サプライヤーの企業情報を収集するプロセスを、RFI(Request for Information)と呼ぶ。この、RFIは進化させねばならない。

 そして、その進化とは、調達・購買部門の進化でもある。また、優れたサプライヤーを、優れていると理解するためのツールでもある。

 攻めのRFIとは、サプライヤーが足りない箇所をあぶりだすだけではなく、既存サプライヤー群よりも、優れた側面を明らかにするツールでもある。

 どんな条件を満たしたサプライヤーが自社に最適か。これを意識して、自社に必要なサプライヤーを発掘するRFIフォーマットづくりを実践してほしい。
                  

(文=坂口孝則・未来調達研究所取締役) 
日刊工業新聞2017年10月4日
坂口孝則
坂口孝則 Sasaguchi Takanori 未来調達研究所
いま机を叩いて交渉するのではなく、知的な調達が求められています。

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