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【今週のリケジョ小町】紅一点でトラクターのロータリー開発

ヤンマー株式会社 中山 亜委さん
**作業機の開発
ヤンマーの中山亜委さん(31)は入社8年目。トラクターに取り付ける作業機の開発グループに所属し、トラクター本体の開発に携わった経験も持つ。直近では、秋ごろから試作を始める耕うん・耕起用ロータリーの開発で活躍している。面談のたびに自ら上司に掛け合い、現在の業務に就いたという行動力の持ち主だ。グループのメンバー8人中、最年少で紅一点。会社生活の節目節目で上司から受けたアドバイスにも励まされ「人に恵まれている」と振り返る。

ポイントは「爪」


「食べることや環境学が好きで神戸大学農学部に進みました。同大学院ではバイオマスエネルギーを研究していました。ヤンマーもバイオマスコージェネレーションシステムを手がけていて、携わりたいと希望しました。ただ、結果的にトラクター開発部門に配属となりました」

「当初は油圧を用いた制御を担当していたのですが、今は業務範囲が広がり、板金から設計しています。進めているロータリーの開発はマイナーチェンジで、色を変えたり、使う部品を選んだりして、主体的に取り組んできました。コスト意識を持つことも心がけています」

「社内の試験スペースでは、砂地にトラクターを走らせてロータリーの整地性能を確認します。爪で土を起こし、後部カバーでほ場を均平(きんぺい)にします。起こす深さが変わると生育状況に影響するので爪の配列が重要です。通常は経験則に基づいて配列を考えるところを、ほかの部署にも協力してもらい、粒状体解析技術を使って配列パターンをいくつか作り、検証しました」

理系女性の活用を進めたい


「今後はトラクター本機の新機種にかかわりたいと思っています。理系女性の活用を進める意味で人事の仕事にも興味があります」

「週末は会社の人と飲みに行ったり、他部署の女性と遊びに行ったりすることも。ジャズダンスも再開し、息抜きになっています」
 
日刊工業新聞2017年9月4日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
ヤンマーのトラクターはグッドデザイン賞も受賞しており、かっこよさと機能性を兼ね備えています。

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