トラックやバスの安全装備、後付け需要を狙え!
義務化のはざまにある車両、三菱ふそうが部品展開
三菱ふそうトラック・バスが既販車の“安全車両化”に乗り出す。車両に後付けできる衝突防止補助システムを純正部品として販売する。前方車間距離警報などの安全装備が未搭載の車両で普及を目指す。商用車メーカー各社は衝突被害軽減ブレーキなどを備えた大型トラックを販売しているが、日野自動車を除くメーカーでは未整備の車型が残る。三菱ふそうは後付け可能なことを訴求して、既販車の安全化に一手を打つ。
三菱ふそうが採用したのは、イスラエル・モービルアイ製の衝突防止補助システム「モービルアイ」。車両のフロントガラスに取り付けたカメラで前方車両や歩行者、車線を検知し、アイコン表示と警報音でドライバーに危険を知らせる。
三菱ふそうとモービルアイの国内代理店となるジャパン・トゥエンティワン(愛知県豊橋市)は、他メーカー車両にも販売する方針だ。
モービルアイは車線逸脱や前方車との車間距離が接近した場合に警報音で注意喚起するにとどまり、自動ブレーキを動作させる機能はない。だが、三菱ふそうの田中康博CS部用品開発・産業エンジン部長は「既販車での需要は大きい」と自信をみせる。
背景にあるのは、商用車の買い替え周期が10―15年と長いことがある。いすゞ自動車が衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの先進安全技術を大型トラックに標準搭載したのは2015年で、中型は17年4月。UDトラックスは大型で衝突被害軽減ブレーキを12年に、三菱ふそうは大型で運転注意力モニターを09年から標準搭載する。
搭載以前に発売した車両には運送会社などが独自で追加した場合を除き、基本的には安全装備が付いてない。買い替え周期が長いため、同装備がない車両は多く、三菱ふそうの田中部長は「(三菱ふそうの)国内登録台数は100万台。モービルアイの後付け需要はある」とし、市場の大きさを強調する。
16年1月に長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故を踏まえ、国土交通省が策定した貸し切りバスの安全表示に関するガイドラインの影響もある。
同ガイドラインでは、先進安全自動車(ASV)技術の搭載状況を車体に表示することになっている。モービルアイのディレクター、デービッド・オバマン氏は「トラックだけではなく、バスでも後付け需要は伸びている」と期待感を示す。
(文=尾内淳憲)
三菱ふそうが採用したのは、イスラエル・モービルアイ製の衝突防止補助システム「モービルアイ」。車両のフロントガラスに取り付けたカメラで前方車両や歩行者、車線を検知し、アイコン表示と警報音でドライバーに危険を知らせる。
三菱ふそうとモービルアイの国内代理店となるジャパン・トゥエンティワン(愛知県豊橋市)は、他メーカー車両にも販売する方針だ。
モービルアイは車線逸脱や前方車との車間距離が接近した場合に警報音で注意喚起するにとどまり、自動ブレーキを動作させる機能はない。だが、三菱ふそうの田中康博CS部用品開発・産業エンジン部長は「既販車での需要は大きい」と自信をみせる。
背景にあるのは、商用車の買い替え周期が10―15年と長いことがある。いすゞ自動車が衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの先進安全技術を大型トラックに標準搭載したのは2015年で、中型は17年4月。UDトラックスは大型で衝突被害軽減ブレーキを12年に、三菱ふそうは大型で運転注意力モニターを09年から標準搭載する。
搭載以前に発売した車両には運送会社などが独自で追加した場合を除き、基本的には安全装備が付いてない。買い替え周期が長いため、同装備がない車両は多く、三菱ふそうの田中部長は「(三菱ふそうの)国内登録台数は100万台。モービルアイの後付け需要はある」とし、市場の大きさを強調する。
16年1月に長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故を踏まえ、国土交通省が策定した貸し切りバスの安全表示に関するガイドラインの影響もある。
同ガイドラインでは、先進安全自動車(ASV)技術の搭載状況を車体に表示することになっている。モービルアイのディレクター、デービッド・オバマン氏は「トラックだけではなく、バスでも後付け需要は伸びている」と期待感を示す。
(文=尾内淳憲)
日刊工業新聞2017年8月24日