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安売り規制強化もなんのその、好調缶チューハイ軒並み増産へ

強炭酸・甘さ控えめ人気、一方でビールは売れず
安売り規制強化もなんのその、好調缶チューハイ軒並み増産へ

キリンビール「氷結」シリーズは増産が続く(岡山工場)

 猛暑の季節に入り、ビールメーカーが缶チューハイを増産する。キリンビールは「氷結」、サントリースピリッツは「マイナス196℃」、アサヒビールは「もぎたて」ブランドを前年同期比で7―8月は、それぞれ1―2割生産量を増やす。ビール類課税出荷数量は1―6月に同1・3%減と5年連続で減少したが、缶チューハイ類は同10%増前後だったと見られ、高成長が続く。

 キリンビールは炭酸の強さをシリーズ最高とした。アルコール度9%の「氷結ストロング ハードライム」を、全国のセブン&アイ各社の店舗で先行発売した。同社は「氷結全体の中で、現在伸びているのはストロング系。品ぞろえを強化する」としている。

 サントリースピリッツは東京・赤坂に「マイナス196℃」をアピールする夏季限定店舗「マイナス196℃ストロングゼロ チューハイガーデン」を開設。全国のご当地ギョーザを週替わりで販売し“食事に合う缶チューハイ”を訴求する。196℃ブランドは1―6月の販売数量が前年同期比13%増、その中でもストロングゼロは同17%増と好調に推移している。

 アサヒビールは「もぎたて」の販売数量が、6月は前年同月比16%増となった。期間限定の「パイナップル」などが寄与した。7月は期間限定商品で「手摘み洋梨」を発売。7―8月は前年同月比で、2割増産を計画する。
日刊工業新聞2017年7月21日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
缶チューハイは酒類販売店の安売り規制強化で6月にビール類販売が落ち込んだときも、あまり影響は受けなかった。味の種類が豊富なことや、食事に合うよう甘さを抑えた商品が増えていることなどを背景に、市場全体が活性化している。若年層や女性の心をとらえ、高成長が続く。 (日刊工業新聞第ニ産業部・嶋田歩)

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