「シビック」にも採用されたスペインのプレス大手、日本進出の勝算

リベラスCEOに聞く「開発プロジェクトが6―8件同時に動いている」

 プレス部品大手のスペイン、ゲスタンプ・オートモシオンが日本事業を強化している。今月に東京・八重洲に研究開発センターを開設したほか2018年夏までに三重県松阪市に日本では同社初となる工場を稼働させる。車の軽量化に役立つ「ホットスタンプ」と呼ぶプレス工法の強みを生かし、日本の完成車メーカーとの取引を拡大する。フランシスコ・リベラス最高経営責任者(CEO)に日本事業の戦略を聞いた。

 ―鋼板を焼き冷まして部品の強度を高めるホットスタンプ技術に強みがあります。
 「創業以来ホットスタンプ技術を提供してきたグローバルリーダーと自負しており、素材開発から部品供給まで一貫対応できるのが他社にはない最大の強みだ。欧米、アジアなど世界約100カ所に生産拠点があり、部品を同一品質で提供できる。世界展開する日系車メーカーのニーズに十分に応えていける」

 ―日本市場の位置付けは。
 「これまで欧米メーカーとの取引が中心で日系車メーカー向けの売り上げは全体の7%にとどまっている。成長の余地が大きいとても重要な市場だ。日本でもホットスタンプ技術を採用する機運が高まっており、事業体制を強化することにした。中長期では日系車メーカー向けの売り上げを現状の2倍に拡大していきたい」

 ―日系車メーカーの採用状況は。
 「最近でいえばホンダの『シビック』などに採用された。現在も日系完成車メーカーとの部品の共同開発プロジェクトが6―8件同時に動いている状況だ」

 「日系車メーカーとの取引が増えている背景にはホットスタンプ技術への期待に加え、自動運転、電動化など車メーカーが抱える開発案件が増え、軽量化に関しては専門の部品メーカーにアウトソーシングし開発の効率化を図ろうとする考え方の変化も影響していると思う。我々にとってはビジネスが広がる大きなチャンスだ」

 ―出資を受けている三井物産とはどう連携していきますか。
 「三井物産が持つネットワークで日本の顧客にアプローチする際の信頼度を高めていきたい。日本事業を拡大する上で長期にわたり重要なパートナーになると認識している」
リベラスCEO

(聞き手=下氏香菜子)

日刊工業新聞2017年6月29日

日刊工業新聞 記者

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07月02日
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ゲスタンプはホットスタンプ技術を使った車体部品などを提供して事業拡大に成功し、17年度売上高1兆円の大台突破が射程圏内に入った。開拓しきれていなかった日本での事業拡大は今後の成長基盤を固める上で重要だと位置付ける。新工場建設など日本での大型投資は日系車メーカーとの取引が順調に進んでいる裏付けといえる。
(日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

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