工作機械受注は高水準続く。今こそ「補助金サイクル」の見直し議論を

業界団体の目標年1兆3500億円を上回るペース

 日本工作機械工業会(日工会)が23日発表した工作機械の4月受注実績(確報値)は、前年同月比34・7%増の1337億100万円だった。5カ月連続の増加となり、4月単月では過去2番目の高水準だ。内需は景況感の改善と設備投資促進の政府補助金効果で、2008年のリーマン・ショック後、4月で初めて500億円を超えた。外需はスマートフォン(スマホ)、自動車関連の大口受注が押し上げた。

 内需は同29・5%増の504億5900万円で、3カ月連続増。政府によるものづくり補助金が需要を喚起し、一般機械、自動車、電気・精密が大幅に増えた。自動車は高水準だった15年平均の170億円を上回った。

 また、外需は同38・1%増の832億4200万円で、5カ月連続の増加。中国でのスマホ向けに加え、インドとトルコで自動車関連の大口受注があった。インドは同3・2倍の54億3300万円で、98年に同国の調査を始めて以来の最高額だった。

 北米は一般機械、航空・造船・輸送用機械が、欧州は自動車、電気・精密が増えた。両地域とも堅調だ。

 日工会の石丸雍二専務理事は、「今後、幅広い業種で需要が伸びそうだ」と述べ、世界的な景況感の改善で工作機械の受注増を予想した。
                  


日刊工業新聞2017年5月24日

六笠 友和

六笠 友和
05月24日
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 工作機械の市況はよく、年初に公表した業界団体の目標値(年間受注額1兆3500億円)を上回るペースできています。このままだと年間1兆5000億円弱にまで伸びそうです。ちなみに、月1000億円が好不調を分ける基準とされています。4月の実績はこれを大きく上回るものでした。
 好調の要因のひとつに日本の補助金があります。設備投資をする企業に対し、国が設備金額の一部を補助する制度です。ここ数年、定期的に実施されてきました。16年5月19日掲載の「『ものづくり補助金』申請数が過去最多!採択待ちが工作機械受注に影響も」にある通り、とても人気があり、需要を喚起しています。
 一方、その年に補助金制度が実施されるのを見越した買い控えが起きています。そして実施されると一気に受注が集中する「補助金サイクル」が定着してきました。本来はカンフル剤のはずが、補助金頼みになってはなりません。その在り方を、そろそろ議論するべきではないでしょうか。

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