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お米に色と栄養をコーティング!理想的な健康食品に

地方創生を支える!注目のベンチャー企業 #6 マインドバンク
お米に色と栄養をコーティング!理想的な健康食品に

コーティング米の調理例

 ピンク、青、緑、黒など今までに見たことがないようなカラフルなお米。食紅などで着色しているのではなく、野菜などの栄養を凝縮したパウダーを米粒にコーティングした自然の色である。
 このユニークなお米を開発したのは、マインドバンクの下山俊雄社長。食品製造に関する経験があったわけではない。下山社長は長崎県の五島列島出身。長崎県内の造船所で研究開発に長年携わってきたが、2002年に独立しマインドバンクを立ち上げた。
 はじめは熱中症対策などに使われるミストシャワーを開発、販売していた。当初は好調だったものの、季節性もあり消費型の商品ではないので経営が悪化した。ミストシャワーの権利関係で中国企業とトラブルがあったこともあり、次なる事業を模索していた中で、着目したのが「お米」だった。

お米の消化吸収率に着目


 「起業してから自炊するようになったのですが、栄養をバランスよく取れずに困っていました。さらに周囲のお母さんたちから『子供が野菜を食べてくれない』という話を聞くことも多かった。お米の消費量が減っているというニュースも気になっていましたね」。
 根っからの研究者気質で好奇心の強い下山社長は、主食のお米について調べ始めた。そこで、お米は消化吸収率が98%と、食品の中でもきわめて高いことを知る。一方生野菜は消化吸収率が悪く、平均して50分の1しか消化吸収されないという。「消化吸収率の高いお米と、野菜などの栄養を凝縮したものを一緒にすれば理想的な健康食品になると単純に思ったんです。食品製造を知らないからこそ生まれた発想でしょうね」。

 同社が開発、販売しているお米は白米(無洗米)に消化吸収を促進するハチミツ、栄養分の熱破壊を減少する特殊でんぷんとともに、栄養を凝縮した野菜パウダーをコーティングしている。野菜パウダーは野菜を咀嚼するよりも細かい粒子になっているため消化吸収率も高いという。野菜の色によってお米にさまざまな色がつく。野菜のにおいや味はほんのりつく程度だという。
 「野菜が嫌いな子供でも、お米を食べるだけで理想的な栄養が摂取できます」と下山社長は胸を張る。キャラクターをかたどった弁当「キャラ弁」を作る家庭が増えているが、着色に使われているのは着色料などが入ったふりかけが主だ。しかし、この米を使えば着色料を使わずさまざまな色を表現するとともに、栄養も効率良く摂取できる。

美容向けなど新製品も続々


 野菜に限らず、食用炭を使用したものもある。最近インターネット通販で人気なのが、食物繊維が豊富な寒天とコラーゲンでお米をコーティングし、美容効果を意識した「ごほうび米(よね)」。さらに長崎県産のお茶を使用し、カテキンの吸収率を高めたお茶米を昨年より販売開始。高齢者や土産としての購入をターゲットにしており、ふるさと納税の返礼品として人気が出ている。他にも酢や重曹を入れると色が変わる超ふしぎ米や、もち米やいりこ、ペット用品など常に新製品の開発に余念がない。
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