「大義」がなければ政策にならない。そこに「共感」がなければ政策は広がらない。

【小池百合子語る】どちらも満たせる政治家でありたいと思っている

 五輪のレガシーは、競技場や交通インフラといったハードだけではない。世界の目が日本に注がれる2020年の東京五輪・パラリンピック大会に向けて、働き方改革を進め多様な人材が活躍できる真のダイバーシティー社会を目指す。それはソフトレガシーとなる。

 ダイバーシティーの源流にあるウーマノミクス(女性活用による経済成長)の考えが登場したのは99年。日本でもようやく、ダイバーシティーが経済成長の観点から捉えられるようになったが、女性の力は伸びしろが大きいと考えている。

 日本のように、仕事か子育てかの二者択一を迫られる女性を世界ではあまり知らない。あれだけ1億総活躍社会を謳(うた)いながら、世界経済フォーラムによる16年男女平等ランキングで、日本は144カ国中111位と、15年より順位を10も下げた。待機児童の数だけ「待機ワーキングマザー」がいる。

 私が大切にしているポリシーは「大義と共感」である。「大義」がなければ政策にならない。ただし、そこに「共感」がなければ政策は広がらない。

 少子化問題や女性活躍推進はまさにそうだ。どれほど予算をつぎ込んでも共感を呼ばなければ大義には結びつかない。どちらも満たせる政治家でありたいと思っている。

 共感を得る基本はマーケティングである。ターゲットは消費者や都民などさまざまだが、ニーズを察知するのは政治の原点であり、アイデアはあらゆる場面に存在する。

 環境相時代に打ち出した「クールビズ」では地球温暖化対策という大義があった。共感を呼ぶため、生活者に着目し「夏はノーネクタイにしませんか」と提案した。快適に過ごせるならいいじゃないか、という共感が夏のビジネススタイルとして定着した経緯がある。

 長時間労働の見直しの一環として7月にスタートした「時差ビズ」も原点は同じだ。通勤ラッシュも大都市の常識と思い込みがちだが、その当たり前を変えたい。朝夕の時間が有効活用でき、生産性も向上すると共感を呼べば成功だ。

 ある大手通信会社では、従業員が居住する沿線別にテレワークを導入することを検討していると聞く。一つ一つの取り組みがムーブメントとなって真のダイバーシティー社会が実現することを期待している。

日刊工業新聞2017年8月31日

安東 泰志

安東 泰志
08月31日
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ダイバーシティは、昨年の都知事選挙の時に掲げた3つのシティ(セーフ・シティ、ダイバーシティ、スマート・シティ)の1つだが、全ての政策の背景になければならないものだ。五輪憲章は性差による差別(LGBTを含む)を禁じているし、国際金融都市構想においてはますますダイバーシティが必要だ。時差ビズにしても、待機児童問題や介護問題への対処にしても、ダイバーシティを実現するための大事な施策である。東京から日本を変えて欲しい。

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