宮崎に航空機「プレミアムシート」の実力メーカーあり

宮崎ジャムコ、今後は「標準シート」受注拡大目指す

 宮崎ジャムコ(宮崎市、鈴木雅人社長)はジャムコグループの一員として1990年に設立。欧エアバス向けなど航空機の内装部品を手がける。現在主力となっているのが「プレミアムシート」と呼ばれるビジネスクラスやファーストクラスなどのシートだ。2016年3月には第二工場を稼働し、増産体制を整えた。

 ジャムコグループと宮崎県の縁は昭和30年(1955年)代にさかのぼる。宮崎空港近くにあった事業所が航空大学校の機材の整備に関わっており、板金加工やワイヤハーネスの製造などに従事していたという。

 宮崎ジャムコ発足後は、ギャレー(調理設備)やラバトリー(化粧室)を製造。第二工場稼働以降はシート関連の生産が増えた。現在は宮崎で生産する品目のうち、シート関連が9割を占めるまでになったという。大窪隆之第二工場長は「板金、溶接、組み立てとあらゆる分野を経験してきたことがシートの製造に生きている」と話す。

 乗客に直接触れる場所という点で、シートはギャレーなどと異なる。長時間、快適なフライトを求められるプレミアムシートは「品質や安全性がより重要になる」(大窪工場長)。さらに「エアラインの評判にも影響する部分」(同)であり、わずかな隙間や布素材のしわに至るまで、生産現場では細心の注意を払う必要がある。

 16年3月期にジャムコグループが生産した航空座席は約1000シート。シンガポールや米国などにも生産拠点があるが、そのうち約6割を宮崎で生産した。

 現在、生産の中心となっているのはエアラインごとに異なる、いわば一品ものの座席。今後はこれに加えて機体メーカーのカタログに掲載される「標準シート」と呼ばれる座席の受注拡大を目指す。実現すればライン生産を拡大することとなるため「安定した生産量が確保でき、コスト削減にもつながる」(同)ことが期待される。
(文=大分・宗健一郎)

日刊工業新聞2017年8月28日

日刊工業新聞 記者

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08月28日
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7月時点で271人の社員がおり、地元出身者が大半を占める。平均年齢は34歳と若い。「伸びしろが大いにある」と、大窪工場長も期待を寄せる。また地場調達の拡大にも積極的に取り組む考え。「レベルが高いと一歩引く企業もあるが、一緒にクリアしていける」と、地域との共生に前向きな姿勢をみせている。
(日刊工業新聞大分支局・宗健一郎)

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